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決心にしおりをはさみました!
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決心
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白鷺さんの車に乗せてもらって、昨日の病院へとやってきた。
受付で名前を伝え、待合へ。
「昨日、異物は取れてるからな。たぶん念のためにしてる入院だからな。」
ここへ来るまでに、幾度となく白鷺さんから聞かされる。
そのように何度も言わなければならない程、昨日の僕の取り乱しようは酷かったんだろう。
手間をかけてしまったことを本当に申し訳なく思う。
「真田さーん、第2診察室へどうぞー」
「はいっ!」
慌てて返事をした。
竜巻、竜巻。
どうか神様、僕から竜巻を奪わないで・・・!
診察室には獣医師と看護士が居た。
両方とも、昨日の人とは違う人だ。
「あのっ、竜巻は?!」
食い気味に迫る。
「うん、一晩観察しましたけど特に問題ありません。今朝、再度血液検査をしたけれど、それも異常なし。良い数値です。もう連れて帰ってもらって結構ですよ。・・まだ仔犬だから、これからも異食には気を付けて下さいね。」
「はい、はい・・本当に、ありがとうございましたっ!」
「ありがとうございました。」
白鷺さんも先生にお礼を言ってくれる。
一番助けてくれたのは白鷺さんなのに。
「キャン!」
ドアを開けて、竜巻が元気に駆けてきた。
僕の腕の中に飛び込んできた竜巻は、こんなにも温かい。
これを失うかもしれなかったと考えると、ゾッとする。
「竜巻、ごめんな。本当にごめんな・・・」
「キュ〜ン・・・」
「そんなに謝るなって言ってんじゃねえか。」
少し笑いながら白鷺さんも竜巻を撫でた。
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