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6 (彰)にしおりをはさみました!
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6 (彰)
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「雪…、雪…!?雪!!!」
ガクッと力が抜けるようにして倒れ込む雪を慌てて支えて、俺は雪の身体を揺さ振った。
==彰 side==
具合が悪いことはわかっていた。
でもこんなになるまでとは正直思わなくて。
顔を見てみれば、元々白い肌が今じゃ明らかに青白く、
色のない唇がとても痛々しい。
そんな雪の姿を見て、先程の涙が増長してボロボロと零れる。
俺は、馬鹿だ。
何度も同じ過ちを繰り返している。
あの時も、今も、
自分のことしか頭になくて。
雪の意志なんてものは、最初からないようなものだった。
どうしてここまで気付かなかったのだろう。
中学生のとき彼から離れたときだって、
もしかしたら雪のことを思っていたわけじゃないかもしれない。
結局、雪のことを壊してしまう自分がこわかっただけなんじゃないか、
そう思ってしまう。
雪がいなくなる直前までの俺だってそうだ、
傷付けるだけ傷付けて、
今更、彼を取り戻したいだなんて。
俺は、本当に、馬鹿だ。
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