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18歳以上ですか?
19にしおりをはさみました!
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19
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薫先輩が部屋から出ていくと、
入れ代わりに蘭が入ってきた。
「副会長、何だって!?」
「ん、と…返事は急がない的な…?」
「へえ…ずいぶん余裕だなあ、あのむっつり。」
「蘭!その呼び方禁止!!!」
「あはは、ごめんね?」
そう言って笑う蘭にデコピンした俺だけど、ちゃんと分かってる。
蘭は、俺が考えすぎないようにと気遣ってくれていること。
「俺ね、もう、逃げないよ。」
なんの脈絡もなく言った俺に蘭は少しだけびっくりしたみたいだけれど、
黙って頷いてくれた。
「補佐、頑張ってみる。」
まずは、現在のあいつと向き合うこと。
今の俺にできることはそれだと思う。
"過去"について考えるのは、たぶんすぐには無理だろうから、
最初は少しずつ、距離を縮めたい。
どこに向かうべきか。
そんなものは、分からない。
だけど、
俺は一人じゃないって、ちゃんと分かった。
みんな、俺をまっすぐ見ていてくれてる。
蘭も、薫先輩も、潤くんも、
あいつも、
真剣に考えてくれてるのに気付けたから、
こんな俺だけど、
もう、目を背けたくないって思うよ。
==第六章 終==
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