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ーりんごらばーずーにしおりをはさみました!
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ーりんごらばーずー
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今の世の中、俺にとって住みにくい世界になった
下手に優しさとか出してしまうから、そこにつけ込まれていつも傷付く
まぁ、自分が悪いんだけどさ
何だろな、人間てしてもらった事ってすぐ忘れてしまうくせに、してあげた事はいつまでも覚えてるしね
普通は逆じゃないの?って言いたい
あの時、困ってたから助けてあげたとかいつまでも恩着せがましく言う奴がいるしね
で、そいつが困っている時に助けてやってもその時はすごく感謝してるように見えるけど、次の日はケロッとしてたりね
俺は、友達が困ってるから助けただけなのにさ・・・・てか、もうそんなのは流行らないのかな
「二度といかね・・・・」
無理矢理頼まれて仕方なく行った合コンは最低だった
最初はよかったけど、酒が入った途端女の子の気を引く為に「昔こいつが困っていた時に俺が助けてやったんだ」とか自慢気にさ
普通言うかな?
正直、俺が助けた方が明らかに多いと思うんだけど、俺が言わないのをいい事に昔の話を面白おかしく話されて気分は最悪だった
しかも普通は誰かが止めればいいのに、女の子達も話にのって笑ってるし
なんか女性恐怖症になりそうだ
「喉渇いたな」
ポケットを探り小銭を取り出し、自販機に入れようとした時・・・・・
「おっと、ごめんねー!」
「ちょ!!」
「マジごめーん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
思い切りぶつかった事を謝っているらしいけど、めちゃ痛かったし
いやいや、それよりも小銭全部落ちて変な網目の中に落ちてしまった
何とか拾おうとしたけど無理っぽい
「最悪」
仕方ない、千円で買うしかないな
財布のを開けて・・・・・・・
「万札しかないとか」
諦めよう
でも、そう思うとめちゃくちゃ喉が渇いて来た
どこかで両替して来よう、そうしよう
ん~~、コンビニとか無いかな
仕方ないから誰かに聞いてみるか
この辺は詳しくないしね
「おっ、そこに誰かいる」
いつからいたんだ?
もしかしてずっと見られてたのかな
とにかく声をかけてみよう
「あの」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
あれ?
聞こえなかったのかな
「あのー!」
「聞こえてます」
「ごめん、聞こえてないかと思って」
「この至近距離で聞こえないわけありませんよね」
「いや、返事が無かったから」
「どうして知らない人に返事を?」
「どうしてって・・・・まぁ、そうだけどさ」
何だこいつ
難しいやつだな
でも他には誰もいないし
「人に声を掛ける時は、最初にすみませんとか言うのが普通ではありませんか?」
「ごめん」
確かにこいつの言っていることは正しい
と言うか、近くで見ると綺麗な顔だな
パーツが整い過ぎだろ?
髪もつやつやしてるしカラーじゃなさそうだし
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もう一度」
「あっ、うん」
待っていてくれたのか?
「あの、すみませんが」
「はい」
「この近くにコンビニとかありませんか?」
「コンビニはここから100メートル行った右側にあります」
「そうですか、ありがとうございました」
近いな
ラッキーだ
「何かお探しですか?」
「いえ、自販機を使いたいので両替を」
「そうですか、飲み物ならコンビニにも売っていますけど、貴方は自販機が好きなんですね」
「あっ・・・・・そっか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
よし、コンビニで買って帰ろう
「ありがとうございました、助かりました」
「いえ」
これでいいのかな?
どこかいいところのお坊ちゃまだろうか?
いやいや、まさかお坊ちゃまがこんな時間に一人で居るはずがないよな
そのままコンビニに向かい、ジュースを買って駅に行く為に同じ道を戻った
「あれ・・・・?」
もしかしてあそこで囲まれているのはさっきの人か?
どう考えても勝てないだろ
相手は3人だし・・・・・・・どうしよう
コンビニを教えてくれたお礼と言う事でいいよな
ジュースをポケットにしまい、さっきの場所に向かった
喧嘩とか久しぶりかも
出来れば話し合いで・・・って無理だよね
「あっ・・・・」
歩き出した
公園に向かっているみたいだ
早くしなければ
「すみません」
「えっ、はい」
「バス停はどこでしょうか?」
「バス停ですか?」
「はい、初めての駅なので全くわからなくて」
俺もわからない
でも、おばあさんだし無視は出来ない
時間も時間だしバスがあればいいけど
「俺もわかりませんが一緒に捜しましょう、行き先は?」
「ありがとうございます、行き先は・・・・・」
大丈夫かな
急がないと危ない
バス停なら駅前にあるだろうし、行き先がわかればすぐ見つかるはず
「駅に行ってみましょう」
「はい」
重そうな荷物を持ち、二人で駅に向かい俺はバス停を探した
「あっ、ありましたよ」
「ありがとうございます」
「ここから乗れば目的地に行けますが・・・・あっ、最終がさっき出たみたいです」
「おやまぁ」
「そこならタクシーでも千円以内で行けると思いますよ」
「そうですか、じゃタクシーで行きます」
「タクシー乗り場まで行きましょう」
「本当にありがとう」
急ごう
タクシー乗り場まで送り、そのまま歩き出そうとしたら
「あの」
「はい」
「このりんご、旅行先で食べたら美味しくて買って来たものですがどうぞ」
「えっ?」
「りんごが好きな孫を思い出してついたくさん買い込んでしまって」
「そうでしたか」
そう言って重い荷物の中からりんご取り出して笑顔で差し出した
「では、1個もらいますね」
「1個でいいのですか?」
「はい、一人暮らしなので」
「わかりました、本当に親切な方でよかった・・・・もう1時間この辺りでうろうろしていたんです」
「そうでしたか、お気をつけて」
「では」
丁度タクシーも来た
これで安心だ
タクシーの中から手を振るおばあさんに笑顔で手を振り返して、急いで公園に向かった
間に合ってくれよ・・・・・
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