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何だか疲れた
やる事を全てやり遂げたからかな
力が抜けてしまいそうだ
「翔」
「うん」
「今日はもう帰って休め」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・だね」
「面倒な事は和海に任せればいい」
「いいのかな?」
「いいんだよ」
「俺は少し仕事を」
「わかった」
「すぐ終わるから」
「うん」
屋敷に戻り、そのままリビングのソファーに座りぼんやり冬矢を見つめていた
仕事って何をするんだろう
PCで何かをしているみたいだけど、俺にはよくわからない
髪を撫でられたので、そのまま冬矢の膝に頭を乗せて、PCの画面を見つめていた
色々な家が見える
都会のマンションとか、森の中の可愛い家とかたくさん
海外かな?
「あっ・・・」
「どうした?」
「今の海の景色は」
「エーゲ海だ」
「エーゲ海」
「この画像の場所はギリシャ側から撮ったものだな」
「ギリシャ・・・・・そうなんだ」
「これがどうした?」
「前に見た写真の場所と同じだったから・・・・どこだろうっていつも考えていたんだ」
「そうか」
「綺麗な所だね・・・全てが浄化されそうな感じがする、嫌な事も全て・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ん?」
「実は、ここに物件があるんだ」
「へぇ」
そしてそのままPCを閉じてしまった
もしかして邪魔だったのかも
そのまま体を起こそうとしたら肩を掴まれた
「どうした?」
「邪魔かと思って」
「邪魔?何故」
「何故って・・・・・PC閉じちゃったし」
「ああ、仕事はもう終わりだ」
「へっ?」
「あの物件は売らずに俺が買う」
「ごめん、言ってる意味が」
「探していたんだろ?」
「探していたというか・・・・綺麗な所だなって」
「だから行けばいい」
「えっ・・・」
「夏までに仕事を片付けて休みを取るから」
「いいの?」
「当たり前だ」
「嬉しい!ありがとう」
嘘みたいだ
あの場所に行けるなんて夢みたい
「ところで・・・・・」
「ん?」
「翔はこれからどうするんだ?」
「どうしよう、どこかで仕事を探そうかな」
「ダメだ」
「でも、遊んでいるのも・・・・・」
「わかった、お前は俺の会社で仕事をしろ」
「へっ?」
「俺の秘書だ」
「無理だよ、俺そこまで教養無いし」
「そんなのは必要ない、傍においておかなければ心配で仕事が手に付かない」
「ん~~~」
困ったな
思い切りコネ入社みたいだし、秘書とか俺には出来ないよ
「相変わらず強引ですね」
「和海、何しに戻って来たんだ」
「仕事はもう終わりましたので・・・・翔、これは貴方の物です」
「えっ?」
渡された物は何だか大切な物みたいだ
書類ばかりと言う事は・・・・・
「仕事が早すぎだろ」
「あの、これは預かっていてもらえませんか?」
「いいですよ」
「俺にはよくわからないし、無くしたりしたら大変だし」
「わかりました」
「和海」
「はい」
「翔の不動産関係は俺に」
「不動産?」
「あの家を売りに出して、この近くに家を建てる」
「えっ?建てるって・・・・無理、冬矢何を言ってるの?」
探すんじゃなくて建てるとか・・・・嘘だよね
「わかりました、でしたら近所に空き地がありましたのでそこを押さえましょう」
「頼む」
「わかりました」
ちょ!
和海まで涼しい顔で何言ってるの?
ちょっとそこまでお菓子を買いに行くみたいな感じだし
「えっ、待って!お金が足りないし・・・・」
「そんな事は冬矢に任せておけばいいのですよ」
「でも」
「家は平屋でいいのか?」
「だからっ!」
「平屋ですか、でしたら暮らしやすい家を建てましょう」
「話を・・・・・」
「バリアフリーがいいな」
「日当たりもよさそうです」
「・・・・・・・・・・・・・・・もう」
勝手に話が進んでるとか・・・・
嬉しいけど、そこまで甘えてもいいのかな
「冬矢のお金を湯水のように使ってしまいましょうね、どうせ有り余っているでしょうし」
「お前・・・・・」
「楽しみです」
「相変わらずだな」
「翔、そういう事だから和海に付き合ってくれ」
「いいのかな・・・・嬉しいけど」
「いいんだよ、翔はもう家族じゃないか」
「家族・・・・・・」
「そうですよ、冬矢が兄で・・・」
「殴るぞ」
「冗談なのに」
家族・・・・・
俺にも家族が出来た
おばーちゃんと繭以外にも出来た
どうしよう、すごく嬉しい
「すごく嬉しい・・・・どうしよう」
「俺も嬉しいよ」
「冬矢、おかしいですよ?俺ではなく俺達でしょ」
「はぁ・・・お前さ、仕事も終わったんだからもう帰れ」
「嫌です」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
仲がいいんだな
喧嘩に見えないし、じゃれ合いみたい
すごく楽しいし、温かい場所
そして幸せな場所
「おや」
「寝てしまったか」
「そのようですね」
翔をベッドルームに運び、そっとベッドに寝かせた
可愛い顔だな・・・・いい寝顔だ
「それで、お前はいつ帰るんだ」
「またですか・・・帰りません」
「仕事はどうする」
「ここでも出来ますし」
「あのな・・・・・」
「ところで、何故家を?」
「ああ、翔のおばあさんを住まわせたいらしい」
「そうですか」
「だから急いでくれ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何だ」
「不動産関係は冬矢の方が詳しいのでは?」
「お前は俺より仕事が早いし何でも出来るだろ」
「当たり前です」
「じゃ、頼んだぞ」
「・・・・・・・・・・・・・昔から同じ手でこの私を使うなんて」
「毎回それでもやってくれるだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・兄ですから」
「お前はよく出来すぎた弟だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がありませんね、翔の為に頑張ります」
「俺の為だ!」
「嫌です」
「・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」
「では、早速仕事に取り掛かりますので」
「ああ」
本当に帰らないつもりなのか?
と言うか、俺との暮らしは否定したくせに何なんだ!
何だかムカついてきた
でも、これで家が完成したら翔は最高の笑顔を見せてくれるんだろうな
楽しみだ・・・・・・後は和海が帰れば嬉しいのに・・・・・
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