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心の鏡にしおりをはさみました!
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心の鏡
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「さて、帰るぞ」
「えっ」
「こんな所にお前を置いていけるか」
「でも、学校が……」
「勘違いするな。帰るのはリハル邸だ」
なんだ。カメリア様の邸じゃないのか、と寂しさ半分安堵半分。
「カメリア様」
「なんだ?」
「その……パーティー最後までいたいです」
「ダメだ」
「………………。」
しゅんと肩を落とすスアムの肩にスルリと手が回った。
「いーじゃねーか、カメリア!折角お前好みにドレス作ったんだ。じっくり自慢していけよ」
「リフラ。お前の仕業なのは分かっていたが、オレが自慢することはないと考えないのか?」
「んん?お前は自慢すると決めたら自慢しまくるからな。しないのか?」
「するわけないだろう」
「なんで?スアムが庶民だから?」
「オレの眼鏡に適っているのに何故庶民だと引け目を負わなければならないんだ。コイツの実力はオレが認めている」
「なら自慢していーじゃん?」
「オレがいない間に変な虫が付いたら困る」
「なんで?」
「コイツは隙があるからな。すぐに組み敷かれる」
「確かに隙だらけだけど。カメリアが守ってやればいいだろ?」
「オレにだって仕事がある。分かるだろリフラ」
「むー。渾身の作なのに。はぁ、ならさオレが自慢するー」
ぐいっとリフラ様に抱き込まれ、カメリア様から引き離される。
「わわっ」
「じゃー、借りるね!!」
「おい、リフラ」
スタスタ歩かれて、ついて行くのがやっとだ。
「やぁ、リハル」
「あぁ、リフラ義兄様。可愛い方を連れていらっしゃいますね」
「そうそう。友人のパートナーをね、ちょこっと借りてさ」
リハル様に初対面のような反応を返されてビックリしたが、意地の悪い顔を見て、リフラ様に合わせて演技をしているのだとすぐに理解した。
「おい、リフラ!」
「ほらほら、そこの頑固な友人の」
「それはそれは。リフラ義兄様も大変でいらっしゃいますね」
「ふざけるのも大概にしろ!」
「なら、少しくらい素直になったらどーだよ?どーせお前のことだから何も言ってないんだろ?」
ぐっと詰まったカメリア様を見て、リフラ様は得意げな笑みを浮かべた。
「そうやって時期を待ってたら、隙だらけのスアムなんてそこのシュガープリンスがかっ攫っちゃうぞ」
女性に囲まれて談話しているサクア様を指さしてシュガープリンスというリフラ様。なるほど。確かに通り名はそのものを表している。
「うるさい」
「時間はない。後悔したくないなら、今のうちだぞ。オレの作ったドレスをここまで着こなせるんだからな」
「…………っはぁ。どいつもこいつも。耳にタコができる。これだから都には降りたくないんだ。……分かった。分かったからスアムを返してくれ」
「はいよ」
背中を優しく押され、カメリア様の腕の中に戻ってきた。カメリア様の匂いで一杯になってホッと安心していると、肩を抱かれ歩き始める。
「カメリア様?」
「話がある。行くぞ」
会場を出るとすぐにカメリア様が移動魔法を使った。
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