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中学の俺とあなた 影山sideにしおりをはさみました!
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中学の俺とあなた 影山side
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破けた手紙は、ポケットの中……
布の上からグッと押さえてみる。
もとに戻ることはあり得ない
これをどうすれば良いのか、まだ答えは見つかっていない。
「影山、おはよう!」
「はよ影山……」
「おは……よっ……!」
登校中
後ろからかけられた、いつも聞き慣らされた声が俺の足を止める。
いつも通りものすごく眠そうな国見と、やたら機嫌が良さそうな金田一。
そんな二人の顔を見た瞬間、脳裏に昨日のキスシーンが浮かんできた。
「っっ!」
「どーした影山? 突然顔赤くして」
「あ、いや……その…昨日、さ…………」
まだ昨日としか言ってないのに、さっきまで笑顔だった金田一の顔も赤く染まっていく。
「えぇっ! き、きき、昨日!?
が、な、なんだ!?」
めっちゃ目泳いでる……焦りすぎだろ
そんな金田一を横目で見てから、国見が眠そうな目のままジロリと俺の方へと目線を向けてくる。
「影山は俺達のキスシーン見てムラムラしてたんだ?」
「?? ムラムラってなんだ?」
「そんなこと聞くなよバカっ!
国見も何言ってんだ!!
てゆーかキ、キスシーンってなんだ!!
なんなんだ!!?」
なんで聞いちゃいけないんだ?
そこで慌てふためく金田一の顔を押しのけて、国見がめんどくさそうに顔をしかめる。
「あーーうるさい金田一。ごまかすの下手すぎ。見られてたもんは仕方ないだろ。
で、影山はどうせ俺達がキスしてるとこ見ながら、及川さんとキスしたいなぁーとか考えてたんだろ?」
「えっ?!」
な、なんでバレたんだ!!???
「バレバレだろ」
「な、なな、何言ってんだよ!!
つーか、お前ら……て、その……え、と……」
「ん? 俺と金田一は付き合ってるよ」
なんでコイツ俺が考えてること分かるんだ!?
エスパーか!
「この前言っただろ?
お前の顔に全部書いてあるって」
えっ! やっぱり書いてあるのか俺の顔に……
ペタペタと顔を触って書いてあることを確かめていると、国見がくぁーーっと一つ大きなあくびをした。
「もうそーゆーのいいから、さっさと及川さんにキスでもしに行けば?」
「そ、そんなこと出来るわけないだろ!
つーか、俺にキスしてるとこ見られたのに恥ずかしくないのかよ?」
「別に恥ずかしくないよ。
だってキスしたかったから。
金田一のこと好きなんだから仕方ないだろ」
その躊躇いもなく堂々とした言葉に、何故か逆に俺の方が恥ずかしくなってきた。
もちろん、金田一は俺よりも更に顔が真っ赤になって、頭から湯気が立ち上っていた。
「く、くっ、国見ぃ~!」
「本当のことだろ」
「そ、そりゃそーだけど……
そーだけど、恥ずかしいだろバカっ!!
国見のバーーーーカ!!!!」
赤面で半泣きになって、そう叫びながら金田一が走って逃げていった。
「あ~あ……かわい……」
国見がボソリと呟く。
そんな言葉を呟けるのもスゲーし、こっちがもっと恥ずかしくなるだろ……
「あのさ、及川さんにキスしてみろってのは冗談だけど、そろそろ勇気出して想いをぶつけてみてもいーんじゃねーの?」
「えっ! そ、それって……告白しろって、ことか……?」
「頑張ってみれば?
じゃないとなんにも始まらないし、ノロノロしてたら及川さん卒業しちまうぞ」
「…………」
告白……
及川さんに振り向いてもらえるように、もう少し頑張ってみようって思ったけど……
殴りたくなるほど嫌われてるのに……?
告白したってフラれるに決まってる。
でも、及川さんは3年で
やっぱり長くは一緒にいられない。
卒業してしまう……
嫌われてるのに、告白したらますます避けられないかな
もう少しで卒業なんだから、
これ以上嫌われないように、避けられないように
少しでも長く、及川さんの傍にいたい……
「……告白するの、怖いのか?」
「…………」
何も言えねぇ……
「でも、俺と金田一を見て、羨ましいと思ったんだろ?」
「…………」
「及川さんとキスしたいって、近付きたいって思ったんだろ?
だったら、頑張って一歩踏み出してみれば?
まあ、無理には俺も言えねぇーけど、卒業したら及川さんとは簡単に会えなくなる。
その事だけは頭に入れとけよ」
そう言って、国見は俺に背を向ける。
簡単には、会えなくなる
顔も見れない
そんなの嫌だ。辛すぎる……
でも、俺は……俺は……
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