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9にしおりをはさみました!
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9
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あそこにいるのは本当に俺の兄なのだろうか?実は見間違いでたまたま俺の家の前でキスしている迷惑なそっくりさんなんじゃないか?優が男と付き合ってるなんて思いもしなかった。確かに男の中では女顔かもしれないけど、だからって男と付き合ってるなんて思うはずがない。
優と男は顔を離して抱き締め合っていた。すると辺りを見渡し始めたので急いで角の陰に隠れた。
…ってか!キスする前に辺りを見渡せよ!!今更見渡したところで俺以外にも傍観者がいるなら見た後だ…。
もう一度様子をうかがってみると既に二人は家の前にいなくて優とキスしていたやつは俺の家よりも更に奥の道へと進み、そのまま姿が見えなくなった。
俺もいつまでもこの場にいるわけにはいかないので家へと向かった。
扉をそっと開け、優がいないことを確認した。自分の家なのに泥棒の10倍は警戒して家の中に入ったと思う。
靴を脱ぎ、急いで自分の部屋に行こうと階段を登ろうとした。すると突然リビングの扉が開き、驚いて目をやるとそこには俺と同様に驚いた優の姿があった。
「びっくりした〜…。おかえり。」
そりゃびっくりするでしょうね。あなたに気付かれないように物音一つさせずに家の中に入ったのになんてこった!さっきの努力が無駄になってしまった。
「…ただいま。」
平静を装えただろうか。まあいいや、さっさと自分の部屋に行こう。
向き直り部屋へと向かおうとした時、優に「待って」と引きとめられた。
「何?」
「……」
何だ?引きとめたくせに優は何も言わない。少し顔が赤くて目が泳いでいる。何か言おうとしてるけど、迷っている様子だった。
…もしかして!
「さっきのことなら誰にも言わない。」
「……?」
あれ、違ったのかな。首を傾げて何のことを言っているんだという様子だ。俺はてっきりさっき隠れてたつもりだったけど優にバレてたんだと思って、キスしていたことを口止めするつもりだったのかと思ったんだけど…。
「…あ、いや、やっぱり何でもない!」
優はそう言って俺の横を物凄い勢いで通り過ぎて自分の部屋に入ってしまった。
何を言おうとしたんだろう?
この時の俺は優がキスしていたことに気を取られすぎて
今朝の出来事を忘れていた……。
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