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④ 正宗にしおりをはさみました!
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④ 正宗
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部活を終えて家に帰る。
「兄さん、帰ったぞ。」
…。
静かだな。
まだ帰ってきてないのか?
兄貴はいつも俺が帰る時間には家にいる。
珍しいな。
俺はリビングへとむかう。
「あ。」
兄貴はリビングにあるソファーに寝転がり、テレビをつけたまま眠っていた。
兄貴の無防備な寝顔にドキリとする。
長いまつげ、白い肌、細い手足、生まれつき色素の薄い柔らかな髪。
兄貴は綺麗で誰よりもかっこいい。
そんな兄貴と俺は全然似ていない。
筋肉質で体がでかくて目つきの悪い俺は皆から怖がられている。
こんな俺が兄貴の事が好きだなんて、なんておこがましいのだろう。
「兄さん…好きだ。」
呟いたその言葉は、きっと一生届かない。
俺は大きなため息をつくと、キッチンに行く。
兄貴が起きる前にご飯を作ってしまおう。
今日は兄貴の大好きな肉料理。
兄貴の喜ぶ顔を見れればそれでいい。
いつか兄貴が結婚して、子どもが出来たとしても、兄貴が弟として俺を好きでいてくれたらいい。
そんなふうに思う。
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