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番外編 誠人の場合1にしおりをはさみました!
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番外編 誠人の場合1
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僕には好きな人がいる。
相手は幼なじみの男、そして婚約者でもある。
男同士で婚約者だなんておかしいと人は言う。
でもこれには幼なじみの家の古くからのしきたりが関係している。
幼なじみの家は古くからある華道の名門。
そして彼はそこの長男で、家の跡取りである。
しかしこの家の跡取りは嫁を取らずに婿を取る。
何故そのようなきまりが出来たのか、今となっては誰にもわからないが今もそのしきたりを守り続けているのだ。
僕と彼の婚約は、僕が母様のお腹にいる時には既に決まっていたらしい。
僕が彼の婚約者に選ばれたのは、僕の家柄が良かったから。
それだけだ。
僕は運が良かった。
彼と出会え、彼の側にずっといられる権利を得た。
それでも僕は、彼とのその関係に満足出来ないでいる。
彼の心は、僕の方を向いていない。
そう感じる度、胸が締め付けられる。
こんな恵まれた環境にいて、まだ俺は彼を求めている。
あぁ、なんて。
なんて僕は卑しいのだろう。
ごめんね、光希。
こんな僕で。
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