アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
番外編 誠人の場合6にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
番外編 誠人の場合6
-
「ったく貴方はどこまで付いてくるつもりですか!」
「んー、気が済むまで、かな。」
全くこいつは。
遠慮と言うものを知らないのか。
形だけとはいえ婚約者のデートに付いて来るなんて、神経が図太すぎる。
僕達はいつも立ち寄るカフェへと入る。
ここは本が沢山置いてあって、落ち着いた雰囲気のお店だ。
週末、僕は光希を誘っていつもここにくる。
最初1人でここに来た時一目で気に入り、光希も連れてきたいと強く思ったことを今でも覚えている。
「なんかすげー静か。俺静かなのって苦手。」
佐久間はデカイ声で言うのでギロっと睨みつける。
「おい、陽。静かにしろよ。」
「えー、だって瀬名も苦手だろ。こういうの。」
「ば、ばかっ…あ、ちがっ、違うんです、誠人さん!」
この時僕は、いかに自分が愚かであったかを知った。
自分が好きなこの場所を、彼も気に入ってくれてると思ってた。
でもそれは僕の勝手な思い込みで、きっと無理をさせていたのだろう。
僕は光希の事を何も知らなかったんだ。
趣味も、色んな表情も。
そんなに慌てなくてもいいよ、光希。
「ごめんなさい、光希さん。今日はもう帰りましょう。」
「あっ………はい…」
光希は何か言いたげな顔をして、悲しそうに俯いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
87 / 117