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九十九昴は藤堂雪の家を出てから、ビルに向かって歩いていた。しかし、普段の彼なら気づく事の出来た異変に、今の彼は気付く事が出来なかった。
ー大切な人…あの人はいったい何を考えていたんだろう。
俺たちは、あなたの考えていた事がわからないよ。直孝-ナオタカ- さん…
あなたも、手紙でも残してくれていればよかったのに…そうしたら…
「…っ。ダメだな〜。自分と重ねるな、九十九昴!!これは甫さんの問題だ!」
そう言って自分の両頬を叩き、目を覚ます。
そこでようやく、異変に気が付いた。
唾を飲み込み、辺りを見回す。
ービルに行くよりも、雪の家の方が近い…
雪には悪いけど…
身の危険を感じた九十九昴は、全速力でもと来た道を引き返した。
「っ!!」
しかし、走り出した瞬間後ろから突き飛ばされ、勢いよく地面に叩きつけられてしまった。
幸い少し頬を擦りむいただけで済み、急いで立ち上がろうとした九十九昴の上に男が馬乗りになる。
「うぐっ。」
「逃げるなんて、ひどいじゃないか。九十九昴。」
目の前に立った男に前髪を掴まれ、顔をあげられた。
「くっ…烏丸!!」
烏丸孝一 -カラスマコウイチ-
陣内組舎弟頭。兵藤組とは島を巡り、対立関係にある。
『SUBARU』が兵藤組に売った銃器の密売情報を兵藤晃が警察に流したことにより、若頭を含める十五人の組員が今は刑務所に収容されている。
つまり、兵藤組に情報を売った『SUBARU』に烏丸孝一は大きな恨みがあるのだ。
「お前が兵藤に売った情報をあいつがさしたおかげで、うちの若頭は今おつとめ中だ。おとしまえ付けてもらわないとなぁ。」
(さすー警察に密告すること)
そう言って、九十九昴を路地裏に引き込んだ。
「うちは情報屋だよ。情報を売るのは当たり前だ。とやかく言われる覚えは無いね。」
強い口調で言い返すと、額に筋を浮かべた烏丸孝一が九十九昴の首を締め上げた。
「兵藤組に情報売ったってことは、覚悟はできてるんだろう?」
「うっ…ぐっ。やめっ…」
一瞬目の前が真っ白になるのを感じ、すぐに手を話されたことによって大量に入ってきた酸素にひどく咳き込む。
「かはっ。げほっごぼっ、ひゅっ…はっ。」
涙を浮かべ、咳き込む九十九昴を見て烏丸孝一は興奮を覚えた。女性と見紛う程の、それ以上の美しさを持つ男の命を自分の右手一本が消しかけた。その支配感に烏丸孝一は酔った。
「…してやる。っ。犯してやる。」
そう叫んだ瞬間烏丸孝一は懐からナイフを取り出し、九十九昴の服を切り裂いた。
「なっ!!やめっ…やめろ!!」
まだ息の整わない朦朧とした意識の中、烏丸孝一を殴り、逃げようとした。
「ふざけやがって!!
調子に乗ってんじゃねぇぞ、このガキ!!」
顔面を殴られた烏丸孝一はナイフを躊躇なく九十九昴の掌に突き刺した。
「やぁぁぁぁっ!!」
痛みで悶える九十九昴の体を組みしき、服を脱がせていく。近くにいた舎弟の男が切り裂かれた服を猿轡のように九十九昴の口にあてがい、彼の声を封じた。
ー…悠……助けてっ…
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