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イケメン教師、麓戸に校長の秘密を聞かされるにしおりをはさみました!
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イケメン教師、麓戸に校長の秘密を聞かされる
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呼び鈴を押すと、麓戸の店の無機質なドアが内側から開いた。
「来たのか。ここに来たら、だめだと言われたのだろう？」
麓戸が、小坂の気持ちを確かめるように、じっと見つめた。
「はい。でも……」
来てしまった。
「来たかったのか？」
麓戸は、視線で小坂をとらえたまま聞いた。
「はい」
麓戸が小坂の背を抱いた。これを、望んでいたのだ、と小坂は思う。
「今日は、帰りなさい」
麓戸は小坂の身体を放した。
小坂は、帰ろうとしなかった。
麓戸は、動こうとしない小坂を見て、ため息をついた。
「愛出人は、校長のことが好きだったんだろう？」
校長を、好きだなどと、麓戸に言った覚えはない。小坂は、顔を熱くした。
「昔から、好きだったんだろう？ 神崎のことを」
小坂は、麓戸の顔を、まじまじと見返した。
「神崎先生を、知っているんですか？」
「ああ。言わなかったか？」
小坂は、麓戸のことを、何も知らなかった。
麓戸は、小坂を店内に招き入れ、椅子に座らせた。
「神崎の秘密を知っているか？」
麓戸は、落ち着かなげに店内を歩きまわった。
小坂は、麓戸の姿を目で追って、答えた。
「実は、男が好き、とか？」
小坂の答えに、麓戸は、笑った。
「さんざん抱かれておいて、今さら、何を言っているんだ」
「それも、そうですね……」
そうかもしれないが、小坂にとっては、あたりまえではなかった。
神崎校長には、妻子がいるのだから。それに、かつて、自分を拒んだのだ。
たぶん、校長は自分を利用しているのだろう、と小坂は思った。男として、もう一度、自分に自信をつけるため、だとか、そんな理由で。男らしく、いつも自信たっぷりの校長のことだ。彼は、愛妻家だ。夫婦生活ができないことを、残念に思っていて、なんとか復活したいと考えているのだろう。
小坂は、腹心の部下だから、弱みも見せて、小坂を利用するのだろう。
麓戸が、重そうに、口を開いた。
「生徒が、二人、死んでいるんだよ」
「え？」
そういえば、高校時代、そんな噂を耳にしたことがあった。そんなうわさ、嘘だと思っていた。
「まあ、そのことは、今日、話すつもりはない」
麓戸は、口を閉じた。
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