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新緑の香りと澄み渡る青空にしおりをはさみました!
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新緑の香りと澄み渡る青空
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「わっ、」
手前から溢れんばかりの勢いで迫ってくる騎馬の勢いに、思わずたじろいでしまう。
掴まれた腕にかかる力がギュッ、と強まる。
あ、これ一縷に掴まれてるのか、と思うと突然胸が苦しくなった。
「桜川、ちゃんと前見てろ!ぶつかるぞ!」
「ご、ごめ」
優李を落とさないように気をつけなければ、と思うのと同時に迫りくる他の騎馬の迫力に圧倒されて思うように動くことができない。
バタバタバタ…と響き渡る大勢の足音が、やけに遠くで反響しているように感じる。
「…取りました…っ!もっと攻めてください!」
「一縷、こっち!」
大きな声で名前を呼ぶと、優李の体越しに真剣な表情をしている彼が伺えた。
「また取りました!…次はあっちですっ!」
「右に動け!」
一縷の指示は的確で、俺はそれに従っていればよかった。
彼についていけば大丈夫、俺を間違いなく導いてくれる。そう感じるくらいに。
それはまるで、かつての彼を彷彿とさせるような、眩い太陽のような。
『終了です!』
「…あ、終わっちゃった…」
気が付くと試合は終了していて、俺達は優李を下すと彼が手に持っているはちまきの確認する。
「阿部、何本取った?」
「…五本、です。少なくてごめんなさいっ」
「五本も?それ、少なくないだろ。というか、俺達のグループは最後まで逃げ切ったから上々だと思う。阿部、よく頑張ったな」
その大きな手が、優李の頭を優しく撫でる。
人前では見せたことのないような笑顔に、ギャラリーが目を奪われているのがよく分かった。
不思議なことに、少しだけ心が疼いた。
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