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18歳以上ですか?
名を。にしおりをはさみました!
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名を。
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「と、取り敢えず!分かることって何かある?」
この沈黙を断ち切るかのように私に質問した。
「碧花…杜甫 碧花。それと……主人が。」
「…………」
私が言い終わると二人はまた黙りだ。
「とりあえずさ、記憶もない事だし俺達のことを知ってもらわなきゃだね。」
そう言ったのは先程から長と呼ばれた男だった。
「まず、僕は花月 長(かげつ ちょう)だよ。」
花月 長……男の名前を心の中で繰り返す。
どこか懐かしい気持ちになれた。
そう、感じた。
「俺は花月 江(かげつ こう)だ。」
江さん…
凄く何か大切な事が欠けている。
気付けないもどかしさがこの二人を見ているとうまれる。
「僕と江は双子なんだ。僕が兄で江が弟。」
「双子…」
確かに、何処か似ている。
だが、長さんは優しそうで凄くおっとりな感じとは裏腹に江さんは何処か冷たそう…。
江さんが冷たいと言っても私に対して何かしたわけでもない。
だけど、だけど。何処か冷たい…。
態度や、言葉ではない何かが……。
「っ!」
また、頭が痛く!
私は酷い痛みに襲われた。
「「碧花!!」」
意識が薄れていく中
微かに見えた双子の顔は何処か懐かしいものだった。
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