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SS☆お題「この声が届きますように」にしおりをはさみました!
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SS☆お題「この声が届きますように」
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『お前さ、好きな人とかいんの?』
「なに?急に」
『いやぁ…なんとなく?お前モテんのに彼女作らねぇじゃん?なんでかなーと思って』
心底不思議そうな顔をしている君の顔を見ながら、心の中で溜息を吐く。
本当、君…鈍いよね。
何で彼女作らないのかって?そんなの、君が好きだからに決まってるじゃん。
気付いてないのかな?俺が彼女を作らなくなったのと、俺が君とこれまで以上に一緒に居るようになったのが同時期だってことに。
元はただのクラスメイトで、俺も君もそこそこ仲は良かった。そんな君の、見た目とは違う真面目な性格が割と好きで。君の笑った顔に惹かれて。時折見せる寂しげな表情に目を奪われた。
もっと知りたいと思った。君の全てを、もっともっと知りたいと。
そう思い始めたら、いつの間にか他の誰よりも君が大切になってて、好きだと気付くのにそう時間はかからなかった。
だけど君にはさ、可愛い可愛い彼女がいるから…今はもうどうにもできないんだけど。それでも俺は幸せそうな君を間近で見ていたいんだよね。そんな君の姿さえも知っておきたいなんて、俺もたいがいどうかしてるよね。
「別にモテてませんがね?うん…まぁそうだなぁ、好きな人ね。…いるよ?」
『え?は?マジで!?誰!?俺、それ聞いてないんだけど!え?』
そりゃそうだよ、教えられる訳ないじゃん。
言ったところでどうなる?君、受け止めてくれるの?
「リア充君には教えないよ。だいたい俺まだ片思いだし?お前ばっか幸せそうでムカつくから、お前がフられたら教えてあげる」
『あ?なんだよそれ。お前な、俺の幸せ奪うなコラ』
「あはは!それもそうだね、ごめんごめん」
ごめん…ごめん。
こんな俺で、ごめん。友達として君を見れなくて、ごめん。君に恋して、ごめん。
それでも…もしもの奇跡が起きて、いつか君が俺に気付いてくれたなら。
俺は俺の全部で君の全部を愛すよ。
だから密かに願うんだ。
いつか、いつか、どうか、君に。
この声が届きますように…。
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