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18歳以上ですか?
11にしおりをはさみました!
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11
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「……」
「……」
「…………」
だああああっっ!!鬱陶しい!!
何なんだ、こいつは
話したいとか言ったり、黙り通したり。
さっきから3分経ったか、5分経ったかは分からない。もっと短い時間しか経っていないかもしれない。
ここには時計がないからそんなことも分からないけど、それでも何分間か重い沈黙が続いたのは事実だ。
そんな空気に耐え切れなくなって、先に口を開く。
「…授業、始まってんじゃねーの」
「え?…あぁ、そうだね、時間すぎちゃってる」
腕時計をチラッと見て、言う。
てめー、腕時計してんのかよ。
「行かなくていいのかよ、優等生」
皮肉交じりに言うと、玖村は苦笑を零しながら言う。
「俺、別に優等生じゃないよ。さっきだって君に酷いことしたんだし。…それに、さっきも言ったでしょ、5限目はサボるって」
酷いことしてる自覚があったのか、と少し驚くが、後半の言葉に少し違和感があった。
「…最初から5限目、サボる気だったのか?」
「ん?そりゃーね、君のことだから中々話してくれなさそうだし。だったら時間かけてでも話そうって思ってたから」
「…何だそれ」
こいつと話すのは疲れる。
何でか知らないけど、こいつには俺のことを何から何まで知られている気がして、気が気でない。
諦めて、また小さく溜め息をこぼす。
「てめー相手に抵抗なんか続けてると、本気で日が落ちる。さっさと済ませたほうがマシだ」
さっきの行為によって落ちてしまった弁当箱を拾い上げ、元々座っていたソファに再び腰かける。
一瞬驚いた顔をした玖村が、また完璧な笑顔を向け、そうだね、と俺の横に座った。
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