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⑦にしおりをはさみました!
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⑦
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ひと騒動も終え鷹村と青木に一言挨拶をしてから、未だに眠り続けている一歩を宮田は背中に担ぎ自分の自宅へと連れ帰った。
「………相当、疲れてたんだな」
あの場所から宮田の自宅までは徒歩で十五分程度。その距離を一度も目を覚ます事なく一歩は眠り続けていた。
自室のベッドにそっ、とおろし一歩の上着を脱がし掛け布団をゆっくり掛ける。
宮田自身も一歩を担ぎ十五分もの距離を歩いたからか、足に疲れが溜まっていてベッドによろける様に座ってしまう。
ふーっ、と一息をついてから寝息を立てる一歩に視線を向ける。
恋人同士の関係になってから、こういった二人だけの時間は実に久しぶりである。
起きない様にそっ、と一歩の頬を手で触れる。
一歩の意識がある時はなかなか、照れが上回り積極的に触れる事ができない宮田からするとこのひと時は幸福である。
けれどそのひと時を邪魔するかの様に携帯から着信音が鳴り始めた。一歩が起きてしまう、と慌てた宮田は直様携帯を手に取り少し不機嫌そうに着信に応答する。
「……はい」
「よぉ、宮田ぁ!鷹村さんから聞いたで!幕之内がえらい目にあったみたいやなぁ、今幕之内はどこに居てるんや?」
思わず耳から携帯を遠ざけてしまうくらいの大きな関西弁の声に宮田は軽く舌打ちをこぼす。
「…幕之内なら、俺の家で寝てるけど…」
「…ふーん。……あ、お前!幕之内に手ぇ出してへんやろうなぁ!」
「……アンタには関係ないだろう」
大事な時間を邪魔され、途中で携帯を切ってしまおうかと考える宮田。
「自分、幕之内とどれ程の仲なん?」
それこそ千堂には関係ないだろう、と言葉が口から出そうになった瞬間、宮田の頭に木村の言葉が過ぎる。
「恋人の仲だ」
はっきりと返ってきた宮田の言葉に千堂は言葉を失っていた。その隙に宮田は電話を切った。
end
*あとがき*
長々と続かせたわりには、
なんとも言えない終わり方になってしまいました。
クールで無口で無愛想な宮田君のイメージを壊さない様に書いてた筈なのに、途中から思っている様に表現できず、こんな終わらせ方になっちゃいました。
次はもう少し宮田君らしい宮田君を書けたらなーと思っています。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
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