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3-11にしおりをはさみました!
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3-11
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ずっと同じところを撫でられていると、ソワソワした感情がだんだんゾワゾワに近づいて来た。
「少しは良くなりましたか?」
「うんっ」
もうそろそろ……と切り出そうとしたところで晩里から手を離してくれた。
「何か塗りましょうか?」
「うん……うーん、いいや」
消毒でも塗って貰った方が病人感が出てもっと優しくしてくれるかなと思ったけど、全身ベッタベタに塗りたくらるのは遠慮しておきたい。
「私は……寮長失格です。守らなければならない寮生をこんな傷だらけにしてしまって……」
床に跪いて指先で傷を撫でながら何度も謝罪を繰り返す晩里は今までに見たことのないぐらい落ち込んでいて、流石にこれ以上謝らせるのは気が引けた。
「もういいよ。見た目ほど痛くないし」
それよりも晩里にどうしても確かめておきたいことがあった。
「晩里、他の寮生にもにもこんな罰ゲームした?」
まだくっきりと残っている紅い跡を指すと、晩里は心外だと言うように首を大きく振った。
「まさか? しませんよ。誰かれ構わずあんな事してたらただの変態でしょう」
誰にもしていないという晩里の返答に、理由はわからないけどホッとした。
だけど今度は「変態」というフレーズがグサリと突き刺さる。
あんな事をされて下半身を膨らませている自分も十二分に変態の仲間入りをしてしまっているのではないのか。
変態……だよね、確実に。
軽く落ち込んでいる俺を見た晩里は拳をキュッと結んだあと、意を決したように口を開いた。
「貴方にだけですよ。こんな事をしたくなるのは」
「え!?」
意味がわからない。
どう捉えたらいいのか全くわからない。
「嫉妬しました」
「嫉妬?」
「あなたがあの1年生とくっついて寝ていたから」
晩里は朝の光景を思い起こしているのか、俺から目を逸らして遠くを見つめた。
「あの……1年生があなたに抱きついていたから……」
「あれは……」
あれは別にそんな疚しいものではなく、ただ単に1年生の寝相が悪かっただけだ。
それに運動部の筋力が強くて追い払えなかっただけで、勘繰られるような事は何もない。
「あなたの全身に跡を残して、私のものだと見せつけたかったのです」
風呂から帰ってきた1年生にキスマークにしか見えないそれを見せつけて牽制したかった。
だけど実際1年生が帰ってきたら急に恥ずかしくなって、結局目の前で掃除機で吸ってネタばらしをしてしまった。
そう話す晩里の顔はいつか見たような真っ赤っかだった。
「それって……」
「あなたが初めてこの寮に来た日から気になっていました」
「嘘……」
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