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危ない第2寮-3にしおりをはさみました!
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危ない第2寮-3
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ここは何処だ。
周りに人工物の存在を感じられない澄んだ空気の屋外で俺はひとり佇んでいる。
頼みの綱である月は雲の向こうに隠れてしまい、辺りを見渡せど広がるのは真っ暗な闇ばかりだ。
虫の声と川のせせらぎだけが静かに響く深い闇にひとつ、ふたつ、黄色い光が灯った。
ホタルだ。
そうだ、俺はホタルを見に来たんだった。
でも、何で俺ひとりなのか。
一緒に来た筈の仲間は何処へ行ってしまったのか。
ん?
闇の中に手の平大の白っぽいものがふわふわと浮かんでいる。
雲の向こうから隠れていた月が顔を現して、それを照らし出した。
花?
宙に浮かんでいるのは柔らかそうな花弁を持つ牡丹の花だ。
何で花なんかが空を飛んでいるんだ?
よく見るとふわふわと浮かぶ牡丹の花は少しずつこっちに近付いている。
うわっ!!
いつのまに増殖したのか、牡丹の花が大群で押し寄せてくる。
痛っ!!
先頭の花が頬にぶつかって地面にぽとりと落ちた。
ぺんぺんと頬を叩いてくる牡丹の花は何度手で払っても次から次へと沸いてくる。
来るなーーーっ!!
後方に逃げようとするのに何故かそれは叶わず、目を閉じて無心で大量の花を追い払った。
「ん?」
何だ? 何故こんなに明るい?
牡丹の花は何処へ行った?
目を開けるとそこはホタルの川なんかではなく、暮らし慣れた自室だった。
頬に触ってみると、花に叩かれた感触が残っているような気がして何故だか名残惜しくなった。
ブオーーーッ。
ボッ。
ボボボボボッ。
何だこの音?
部屋の入り口の方から聞こえてくるのは掃除機の音。
望夢が俺の部屋を掃除してるのか?
まだ覚醒しきっていない脳を叩き起こして思考を巡らせる。
望夢……帰って来たんだっけ?
確か第2寮に泊まると言っていなかったか。
プシューッ。
シューッ、ゴーッ。
何時だよ、今?
時計に目をやると、まだ朝の6時過ぎだ。
「望夢~掃除するにはまだ早いですよ」
シュウィーンッ。
シュウィーンッ。
ボボボボボッ。
聞こえていないようなので直に言って止めさせるべくベッドから起き上がった。
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