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危ない第2寮-7にしおりをはさみました!
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危ない第2寮-7
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いつもふざけてばかりいるキリの真面目な表情を見たのは数える程しかない。
だけど、どれだけ本気だと言われても俺にはどうしてやることも出来ないんだ。
「好きな人が居るんだ」
「誰? どんな子? ねぇ!!」
「……」
「晩里っ!!」
適当に誤魔化して帰らせたいのにキリは一目見せろと執拗に食い下がる。
「見るだけ。ね? 見たらすぐ帰るから!」
「断る」
「じゃあずっとここに居る。晩里の部屋に住む」
「帰れ」
「俺がどれだけ晩里の事……」
冷たくあしらっていると、しまいに泣き真似をし出した。
昔の俺なら折れていたかもしれないが、今は望夢が第一なんだ。
お前ならすぐに恋人の一人や二人出来るだろ。
こんなに綺麗なんだから。
日本人離れした容貌を誇るキリは大学生の頃から目立っていた。
パッチリとした二重瞼にスッと通った鼻筋、華やかな唇。
中身はただの変態だけど、そんな誰もが羨む恵まれた容姿を持つキリが、俺なんかを本気で好きになるわけがない。
結局、断りきれずキリを望夢が滞在している第2寮に連れてくる羽目になった。
玄関まで来て、どうしたものかと思案していると談話室から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「望夢!」
「晩里!?」
驚いた顔を見せる望夢の隣には初めて見る顔の男が座っている。
これが件の「先輩」か?
俺と違ってがっしりとした筋肉質な肉体は日焼けしていて、ちょっとチャラそうな男だ。
それにしてもやけに距離が近くないか?
「誰だよ、あんた」
「第5の寮長です」
「と、その相棒~」
いつの間にか俺の背中にキリがペタッと貼り付いていた。
「これは只の知り合いです」
「で、その寮長と知り合いが第2寮に何の用?」
「うちの寮生を迎えに来ました」
離れようとしないキリを力ずくでベリッと引っぺがしながら答える。
「あっそ。望夢は帰りたくないってよ。な、望夢?」
「うん。帰らない」
「ならばお好きになさい」
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