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うちくる?にしおりをはさみました!
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うちくる?
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次のサークル活動は来週ということだったのだが、金曜日にガクから連絡が来た。そして、ひょんなことから次の日会うことになる。
『明日暇?』
授業中に来た連絡に、ビックリした。
隣に座ってたナリヤは、俺が携帯を見て固まっているのを不審がった。
小声で話しかけてくる。
「何かあったのか」
「ガクから明日暇かって言われた」
「ガク?」
「荒木岳」
「はぁ?!」
大きい声を出したナリヤのせいで、その授業は教授に睨まれたまま九十分過ごす羽目になった。
ナリヤがあんなにオーバーリアクションするとは思わなかった。いつでも冷静沈着そうな顔してるのに。
授業が終わって、昼休み。
お昼を食べながら、俺はナリヤの質問責めにあっていた。
「なに?昨日あの後何かあったわけ」
「何も無いよ。一緒に途中まで帰っただけ」
「なんで、呼び捨てで呼んでるの」
「中学の時の先輩なんだよ。許可もらってる」
「そういう問題じゃないだろ。知り合いなら昨日の時点で言えよ」
「帰ってる途中で思い出したんだよ」
どうやら、ナリヤはガクに興味があるようだ。
結局、あの後二次会には行ったものの、文豪について語り合って(二年生の先輩相手に言いまくり、早速、ナリヤは文豪批評家として、サークル内での位置づけが決まったようだ)、三次会なんてものには行かず、一人で寂しく帰ったようだ。
ナリヤもサークルに入ることを決めたらしく、俺にも少し心を開いてくれたようだ。最も、向こうからしたら、俺がナリヤに心を開いた、ということらしい。それも、強ち間違えではない。
俺は、この頃からナリヤのことを、「ナリヤ」と呼ぶようになった。
ちなみに、ナリヤがこの先、俺のことを下の名前で呼ぶことはない。
理由を聞いたら、「ユキ」と言うのが、高校の時に二年付き合った挙げ句、向こうの浮気で別れたという元カノの名前だかららしい。
俺のことは、今でも「永沢」と呼ぶ。
「で?永沢は、なんて返事したの」
「暇だけど、って」
まだこっちに来たばかりでアルバイトもしていないため、学校が無ければ基本暇だ。
そろそろ、本格的にアルバイトを探さなければ……
ちょうど、携帯が鳴った。
見ると、ガクからだった。
その内容は……
『暇だったらさ、うちくる?』
暇、というのも考えようである。
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