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20にしおりをはさみました!
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20
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「マリちゃん、おいで。一緒にごろごろしよう」
雅さんがベッドに横になって両手を開いて僕を誘ってくれる。僕は雅さんの胸に抱きついて、ぐりぐりおでこを擦り付ける。
「雅さん......雅さん、好き......」
僕がそう言うと、雅さんは困ったように溜め息を漏らした。
「ね、僕の身体良くなかった?僕のエッチ、下手だった?」
「ううん、気持ち良かったよ」
「じゃあ、また会おうよ。僕、もっと雅さんにいろんなエッチ教えてほしい」
「マリちゃん」
それは、優しくて、厳しい、雅さんの声だった。
「遊びはね、一夜限りだからいいの」
「遊びじゃないっ。だってもう僕、雅さんが好きになっちゃった」
「じゃあ、マリちゃんのこの中にずっといる人はだぁれ?」
雅さんは、僕の心臓のところをつんつんと指差してきた。
「......」
彗さん......
僕の心の中にずっといる人。絶対に叶わない恋。どうして、雅さんにばれちゃったんだろう。
「......でも、雅さんが好き。ほんとだよ」
「マリちゃん、それ以上言っちゃだめ」
「やだ......雅さん、僕と付き合って。誰か付き合ってる人いるなら二番目でもいいから」
「そんなこと言わないの」
雅さんが唇にキスしてくれて、それが少し苦くて自分が泣いてることに気づいた。
「これは遊び。で、遊びは一度きり」
「やだ、セフレでもいい。雅さんの都合のいい時だけでもいい」
「マリちゃん、自分をもっと大事にしなきゃだめって、さっきも言ったでしょ?」
雅さんは何度も僕に言い聞かせるみたいに囁いて、背中を優しく撫でてくれた。
「......たまに会うだけは?」
「だーめ」
「もしまた偶然会えたら?」
「その時は、その時考える」
「雅さん......」
雅さんはけして冷たくなんかなくて、ずっとずっと優しくて、だから余計に悲しかった。
「マリちゃん、俺、今夜はすごく楽しかったよ。マリちゃんに童貞あげられて良かったし、マリちゃんの童貞貰えて嬉しかったよ」
そんなこと言わないで、もっと冷たく突き放してくれたらいいのに。じゃないと、明日になっても明後日になっても僕は、雅さんを探してしまう。
「最後にもう一回する?」
「最後なんて、やだ......」
「じゃあ、朝が来るまで」
「やだ......」
「わがまま言わないで、マリちゃん」
雅さんが、僕のモノをゆるゆると扱き始める。僕の身体は正直で、雅さんに触れられたらもう簡単に喜んで反応してしまう。
「抱いて、マリちゃん」
「......っ」
「マリちゃんので、俺のナカ満たして......」
雅さんは、この世のものとは思えないくらい綺麗で、エロくて、きっとすごく特別な人なのだ。皆が皆、雅さんを求めるけど、きっとこの人は誰にも靡かない。
「......雅さんって、何者なの」
雅さんに覆い被さってキスをしながら聞く。雅さんはニヤリと笑ってこう言った。
「女王様って、呼ばれてるかな」
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