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18歳以上ですか?
50にしおりをはさみました!
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50
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「っぐは……っ」
大きな音で廊下に横たわるソレは痛みに丸まっていた
少しは手加減してったんだから感謝してほしい
その音を聞きつけて笹本が駆けつけて来る
倒れているソレを見て目をいっぱいいっぱい開け慌てて近寄った
「え!?大丈夫ですか?」
心配そうな表情を浮かべながらうずくまっているソイツの顔を覗き込む
俺はリビングに戻り机の上に置いていたタバコを一つ咥え火をつけた
「放っておけ」
吸い込んだ煙が肺まで届き、先程までの苛々は消えていくように感じる
「で、…でも」
不安そうにずっと顔を覗き込みながら大丈夫かどうか伺っていた
俺は仕方なくソイツの前に立つ
「俊。早く起きろ」
足で突いてやれば起き上がる俊。
腹を抑えながら笹本に親指を立ててニッコリと笑う
「心配してくれてありがとう!夏樹の奴さ俺に会えたからって照れちゃったんだよね〜」
「寝言は寝て言え」
今度は足を思いっきり踏んでやり俺はリビングに戻った
後ろでは痛みに声を上げている奴とまた心配そうに声を上げている奴がいる
一気に騒がしくなった室内に溜息をついた
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「にしても、本当何にもないな」
ソファに俺と笹本、床に俊が座る
隣では見知らぬ人が突然来て何がなんだか分からないといった顔で俊を見ていた
本当すぐに変わる表情に見ていて飽きない
思わずクスリと笑ってしまう
「コイツは桐島 俊介 。まあ腐れ縁みたいな奴だ」
俺の言葉を聞きホッとしたのか緩くなった顔付き
「初めまして!俺は笹本 陽って言います!
先生の友達なんですね!!」
全力の笑顔で挨拶を交わす笹本だったが、突然鳴り響く腹の虫が泣く音にシーンと静まり返る
「……すみません…」
朝から何も食べていないのだから鳴って当然だろう
赤くなった顔のまま下を向いている笹本が可愛くて頭の上に手を置きグシャっと一撫でしてやる
「なんか食いに行くか」
吸い終わったタバコを灰皿に押し付け俺は立ち上がる
飯と聞き嬉しそうにしている笹本はまるで子犬のようだ
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