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18歳以上ですか?
02にしおりをはさみました!
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02
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店に着くまでに時雨と色んな話をした。
家族で洋菓子店をやっていて、昔からお菓子作りや料理が大好きなこと。
ものすごく大人っぽいけど、実は俺と同い年だということ。
時雨がいっぱい話しかけてくれていっぱい笑わせてくれるから、俺はいつの間にか先程まで泣いてたことを忘れていた。
「す、すごい……!!」
「だろ?父さんの作るお菓子は世界一だからな!」
時雨の店に入るなり甘い香りに包まれ、ショーケースにはキラキラした洋菓子がいっぱい。
「こっち来てよ!いいもん食べさせてあげる!」
そう言い腕を引っ張られ店の奥へと進んだ。
「これ!」
ささっと席に座らされて差し出されたのはオレンジと黄色の小さなタルトレット。
「美味しそう……」
「夏の新作なんだ!上に乗ってんのはパイナップルとマンゴーだよ!」
口に入れると、サクッとしたクッキーの食感と、爽やかな柑橘の香りがいっぱいに広がった。
「美味しい……!!!すごくおいしいよ!!!これもお父さんが作ったの……???」
「あ……、実はそれ、俺が作ったんだ…」
「時雨が?!」
時雨はへへ…と恥ずかしそうに笑った。
「す……すごい!!すごいよ!!!!」
俺は思わず立ち上がって時雨の手を掴むとぶんぶんふっていた。
すごい、すごすぎる、まるでプロの腕前だ。
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