アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
灯架の家にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
灯架の家
-
「スーパーの特売日だから姉さんに色々買ってきてっと頼まれたんだよ」
「兄弟、いたんだ」
「うん、五歳上の姉と五歳下の妹。母さんと父さんが中学の時に事故って死んじゃったから今は三人暮らし」
「あ……ごめん」
「気にしないで大丈夫だよっ、別に不幸せって訳じゃないし毎日が楽しいから」
「そう……」
「……瑞貴君、なんかあった?」
「……綾と喧嘩して、家出てきた」
「そっか……行く宛、無いなら家来る?」
「え、でも……」
「一人増えても姉さん怒んないよ。それに、寒いでしょ?」
「……ありがとう」
確かにこの冬の寒さじゃ凍死してしまいそう。
心遣いに甘えて、灯架の家にお邪魔する事にした。
ちなみに自分の家に戻らないのは、お母さんに綾と喧嘩したなんて言ったら意地でも戻される。
「あ、でも姉さんには気をつけてね……酒飲むと理不尽な絡み方してくる可能性大だから」
「う、うん」
理不尽な絡み方ってどんなだ?
え、やっぱり説教?
「後、妹が凄い事情聞いてくると思うから撫でとけば止まるよ」
「分かった」
灯架の家は公園から数分のとこにあった。少し大きめの一軒家で、明かりがついていた。
「ただいま〜、姉さん、ちょっと来て〜」
「あぁ〜?今手が離せないってのに……灯菜ちょっと行って」
「えぇ〜私もテレビ観てるのに……何よ〜お兄ちゃん…って」
「は、初めまして」
リビングから出てきたのは髪を二つしばりにしたセーラー服の女の子。
確かに顔つきは灯架に似ている気がする。
「お、お姉ちゃん!!お姉ちゃん〜!!お兄ちゃんが友達連れてきたよ〜!!」
「はぁ!?灯架が友達!?ちょっと待って火止めるから!!」
ドタバタと駆け回る音が聞こえる。え、何灯架友達今までいなかったのか?
チラリ、と灯架を見ると恥ずかしそうに顔を赤くしていた。
「おい灯架マジかよ……お前が友達って、あ、どうも」
「初めまして、坂秋瑞貴といいます」
「ちょっと事情があるから、今日泊めてってもいいでしょ?」
「事情?ふぅ〜ん、まぁ分かったよ、ようこそ葉山家へ。大したもんはないけどまぁ上がってきな」
灯架のお姉さんは、髪を一括りにまとめ眼鏡をかけたいかにもお姉さんという感じの人だった。
灯架とは正反対の性格っぽそうだけど、少し垂れ下がった瞳は灯架に似て優しそうな印象を与えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 227