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【前にも似たようなことがありました】にしおりをはさみました!
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【前にも似たようなことがありました】
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伊藤先生が病室を出ていってから、読んでいた本を読み直した。
それなのに、伊藤先生の言葉が離れない。
どうすればいいっていうんだ。
正直こればかりはわからない。
裏の俺ってなんだ?どういうものなのか、伊藤先生が説明してくれたけど、イマイチわからない。
考え直そうとするから、余計に分からなくなる。
でも、とりあえず伊藤先生の言いたいことはわかった。
俺が無意識に殺そうとしてる裏の俺を生かせってことだよな。
その無意識をどう帰れば良いのか……。
はぁ、ため息しか出ない。
どうすればいいかな……。
そんなこと思いながら、俺は眠りについていた。
*
「……何やってるんです?」
「あ、起きた。」
「起きましたね。」
目を覚ますと、目の前に会長と副会長がいた。
なんか前にこんな事あったの、しっかり覚えてるぞ。
「何してるんですか。」
「いや、寝顔が可愛いなと。」
「率直に言いましたね。」
「…可愛いと言われても嬉しくないですが……」
「ところで、立花は目が見えるようになったんだろ?おめおめ。」
「そこ略すところじゃないです。立花、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。副会長」
「なんで俺はいわれないの?酷くない?ねぇ酷くない?」
「はいはい、会長もありがとうございますぅー。」
「雑じゃない!?」
気のせい気のせいと、軽くあしらっておく。
こうなれば面倒くさい。
秘技!無かったことにする。
なんかもう、伊藤先生のことで疲れて、どうでも良くなってきた。
「立花さ、目が見えるようになって、俺の扱い酷くなったよな。」
「…また見えなくなった方がいいですか。」
「い、いやいや、そんなことないから!目が見えなかった時、立花が何も無い空間見つめて話しかけるもんだから怖かったし。」
「いない存在になってしまったんですね、会長おめでとうございます」
「……酷くない?生きてるし。」
「「酷くない、酷くない」」
「絶対裏で合わせてるだろ!」
部屋の隅でうわぁぁあ、酷いよーとか言いながら泣き出すお金持ちの高校生は知らないです。
あ、そう言えば生徒会の仕事は大丈夫なんだろうか。
「生徒会の仕事は大丈夫です?」
「…まぁ、大丈夫ですよ。そんなこと気にしないで、早く治してくださいね。医者はなんと?」
「あと1週間程度で退院かなーって言ってましたよ。」
精神について、あえて言わないでおくが。
「そっかそっか……。うん。立花は今、学校に来ない方がいいかもな……。」
「え?何でです?」
「長期入院だったから、立花のこと知ってる人は騒ぎ出して。理事長やら生徒会やらの気をひくためにやってるんだってな。
前の朝会で、あんな事があっただろ?それを今回の件とで、怪しんでるやつが急増しててな。」
「なるほど。でも、俺は大丈夫ですよ。結構精神面は鍛えられてますよ。」
……実際分かんないけど。
「そうですか。それなら安心ですね。また立花と仕事ができ……ごほっ、ごほ……っ…………なんでもありません。」
そんなあからさまに咳をして眼鏡掛け直さないでください。イケメンか。
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