アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
王宮の外へ①にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
王宮の外へ①
-
――――――――――――――――――――――
「早く、想太達を探しに行かなくちゃ………」
「マコトの恋人くん、ちょっと落ち着きなよ。探しに行くって言っても、手掛かりなしでは難しいし、まずはここから出ないと。あれ、足下に何か落ちてるよ?」
知花と消えてしまった想太を見ると、情けないが、真っ青になりながら、オロオロする事しか出来なかった。
そんな僕を呆れたような表情を浮かべて、ミストが一瞥し、冷静な様子で言う。それから、僕の足下に何かが落ちている事に気付いたらしく、その何かを拾ってから、僕に見せてくれた。
「…………こ、これは想太が小さい頃から読んでいた絵本に挟まっていた……白い押し花の栞だ。で、でも……どうしてここに…………」
思わず、声が出てしまった。
それは、想太が小さい頃から好んで読んでいた絵本で、その絵本の中にはサンやナギやミストのようなエルフの姿が描かれていた。よく、想太はエルフとは、こういう存在なんだと、目を輝かせながら、僕に得意気に教えてくれていた。
正直、エルフの事は、その頃の僕にはよく分からなかったけれど、白い押し花の栞が、想太がページを捲る度にキラキラと光っていて、とても綺麗だなと思っていたのだ。
でも、それも昔の事だし、白い押し花の
栞なんて持ち歩いてはいないと思っていたのに―――――
「これ…………想太達を探す手掛かりになんて、ならないよね?」
「……いや、そうとも限らないよ。」
僕は、あまり期待せず、誰ともなしに呟いたが、意外にも希望ともとれる言葉がミストから返ってきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
65 / 477