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二人きりの夜④にしおりをはさみました!
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二人きりの夜④
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「あれが、噂の領主様か。確か、よそ者に城ごと土地を奪われてプライドズタズタだって話だよな~。確かに、あの態度じゃ噂にされて村人達から笑われてもおかしくねえな。」
「………しっ!!あの領主様の耳に入ったら、何をされるか分からねえぜ。ただでさえ、プライドズタズタで気が立っているっていうのにな……………って、小僧共……何こっち見てんだよ!?とっとと中に入りやがれ……ったく、騒動に捲き込みやがって……」
男の人とエルフの男の子が去った後、少しの間は静寂に包まれた脱衣場だったが、すぐに周りの冒険者らしき男の人達がヒソヒソ声で、去っていった男の人の噂話をし始めたため、僕は思わずその噂話に聞き耳をたててしまう。
しかし、噂話をしていた冒険者らしき男の人達に気付かれ、睨み付けられてしまったため、ペコリとお辞儀をしてから、すぐに誠と一緒に個室風呂へと入った。
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《露天風呂・個室内》
「……あ、あのさ……誠……何か怒ってる?」
「……………別に。」
個室内へと入り、裸で湯の中に入った僕と誠だったが、どことなく誠が怒っているような気がして、おそるおそる尋ねる。
「…………………」
「…………………」
誠に、そう言われてしまうと、どういう風な反応をしたらいいのか分からず、僕は黙り込んでしまう。
――――個室内が静寂に包まれる。
「あ、あの……僕、どうして誠が怒っているのか……鈍感だから、本当に分からなくて。だから、誠の口から理由を教えてほしい…………」
「……優太、お前…………本当に、どうして俺が怒ったのか分からないのか?」
個室内に包まれる静寂に耐えきれず、僕は遠慮がちに、やっとの思いで誠へと言う。すると、誠が呆れたような表情を浮かべながら、僕へと尋ねてくる。
「ご、ごめん…………本当に分からないの。だから………っ……!?」
「じゃあ、何で俺が怒ったか……教えてやるよ。」
僕は、誠の問いに対して心の底から申し訳なさそうに答える。
すると、謝っている途中で、急に誠から強く抱き締められ、まだ怒っているのか低い声で耳元に囁かれる。
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