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.にしおりをはさみました!
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「なんで…………」
城の扉を開けてすぐ広がった光景はとても無残なものだった。
鼻をツンと刺激する腐敗臭が漂う。
いつも笑顔で挨拶をし、城を守ってくれていた兵士たちは切り刻まれ、何十人もの兵士の死体が転がっている。
目の前の光景と鼻をつく臭いに耐えられず、シエルはその場で嘔吐した。
「はぁ……っ、ぅっ………、母様、父様……っ!」
口を抑え、皆が逃げたはずの玉座の間へ足を運ぶ。
そして、震える足に「とまれ」と念じながら、力を入れて扉を開けた。
「う…………そだ……………」
玉座の間(マ)にある大きなステンドグラスから日が差し、照らされているその先には、2つの玉座に座ったメジエールの王と王妃が胸にナイフを突き刺され、座ったまま死んでいた。
玉座の周りを国民の死体が取り囲んでおり、全員が胸の上で腕をクロスさせられている。
彼らは皆、支配下に下ることに抵抗したのだ。
この平和な国の誇りにかけて、彼らは死を選んだ。
シエルは玉座に近づき、大好きだった母の死体に触れた。
「うわぁっっ!!」
触れた箇所の肉が崩れ、手にドロっとした感触があった。
美しかった母の顔は鬼の様に恐ろしく、シエルはこの現状を受け入れられなかった。
こんな無残な殺し方をする人間がこの世には存在するのか?
「殺してやる………。殺してやる殺してやる殺してやるっっ!!!!!」
シエルは復讐を胸に誓い、全員の安らかな眠りを願いながら、城に火をつけて、弔いを上げた。
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