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18歳以上ですか?
手紙にしおりをはさみました!
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手紙
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保健室を出て長い廊下を雨宮と歩いてると、俺の斜め後ろからちらちらこっちの様子をうかがってるのが視界に入る。
「ああー!!もうなんだよ!何か言いたいことあんならちゃんと口に出して言え!」
「あ・・いや・・体調、平気かなって。」
「別に、平気だけど・・・。え、なに、それだけ?気持ち悪いななんか」
「なんだよ!気持ち悪いって・・失礼な。」
何だか少しいつもよりぎこちない会話。さっきあんなことしちゃったから・・だよな。だけどどっちからもその話題に触れる気配はない。
「冗談だって、なあ、お前今日部活だろ? ちゃんと出ろよ。」
「あ・・・いや今日は元から・・休もうとしてたから、いいの。帰ろうぜ。」
・・・・なんか嘘っぽい。
めっちゃ目泳いでるし。
じとって疑ってる目で睨んでみると、むすっとした顔でだけどまっすぐににらみ返してきた。
・・・・・素直に部活に出る気はないらしい。ま、いいか。たまには。昇降口にいって靴に履き替えると
隣からかさっと音がした。
「・・・まーたラブレター?・・・今時、いるんだな手紙で告白なんて。」
見慣れた光景に少しいらっとするのは何でだろう。
「あー。あれじゃねたぶん。俺あんま聞かれても連絡先とか、教えないから。」
「え、、なんで」
「毎日毎日、くだらないことばっかり一方的に話されたってめんどくさいし、うざいじゃん。」
本当にめんどくさそうに、ぽつりと呟いた。
・・何だかたまにあるんだよな。いつも学校でヘラヘラ馬鹿みたいに笑ってるのに、他人に対してこうやって急激に冷めた目をすること。
王子(ただしヘアバン)だなんだって言われても、凡人には分からない大変なこととがあるんだろうか。俺には羨ましい限りですがね。
でも、連絡先、教えないんだ。へ~え。そう。ふーん。
「ま、そうかもな。いいんじゃねーの。」
「え・・・・。意外。絶対 もったいねええ!!譲れ!! とか言ってくると思ったのに。」
「んー。まあ、あれじゃん。結局ラブレターとかでくるなら連絡先教えなくても一緒なのかな、って思っただけ!」
じろじろこっちを見てくる視線を振り切って先に歩き出す。後ろからちょっと慌てて追いかけてくる足跡。なんでだろう。
今日の俺はなんだか気分がいい。
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