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2にしおりをはさみました!
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持ってきた教科書の中から家庭科と保険の教科書を引っ張り出す。
勉強のついでだし…というか、一般常識だし。
「普通、ご飯は酒食の他におかず2つと汁1つが定番。まぁ最近は主食だけガッツリもあるんだけどさぁ。今みたいな感じで。」
「…給食だ。」
「そう、それ!それが普通。これからはそーいうご飯食べるようにしよ。」
「わかった。」
「例えば…羽白、なんの給食が好きだった?」
「んー…覚えてない。」
「覚えてない?」
最後の一口を食べ終えて、スプーンを置いたまま表情を曇らせる。
…いやまさか給食食べてないなんてないよな?
そこまでいったら流石に虐待どころじゃ済まされない。
「嘘ついた。…本当はほとんど食べたことない。」
「小学校行ってなかったってこと?」
「半分は行ってた。支援学級だったけど。…親が死んでから、…えっと。」
「いーよ。長くなっても聞くからさぁ。まだ朝だし。」
「…そうじゃ、なくて。」
服の裾をギュッと握りしめたままその先の言葉が詰まる。
また、俺に言えないことだ。
問い詰めたいわけじゃない、弱みを握りたいわけでもない。
上辺だけじゃなくてちゃんと羽白の事を知りたいだけなんだ。
なんて言えば伝わるんだろう。
「森宮、俺。…本当は言いたくないけど言わないともっと嫌だから言わせて欲しい。」
「…なに?」
「俺のこと、言ったらきっと嫌われる。でも言わなきゃもっと嫌われる気がする。…だから怖くて言えないし隠すのも怖い。これって、…多分おかしいことなんだと思う。」
少し俯きながら羽白はそう言って口を結んだ。
俺が羽白を嫌うなんて…そんなの。
「…そんなの、あるわけないじゃん。」
ありえないのに、さ。
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