アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
13にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
13
-
ピコン
僕のスマホが鳴った。
通知を見ると宛名は前まで付き合っていた女の子、林夏恋だ。
別れてからも友達として普通に話したりしていて仲は悪くない。けど、なんでいきなりメッセージを送ってきたのだろう。
『優くん、久しぶり。いきなりごめんね?最近優くんと話してなかったからさ、久々にランチでもどう?』
昔から変わらないメールの仕方。
絵文字などは付けないシンプルなメール。僕は絵文字とか付けられると嫌になるから夏恋のメールの仕方は好きだった。
「うーん、どうしよう。大貴に聞いた方が良いのかな」
大貴は今、仕事で外に出ている。僕は一人でお留守番の日。
僕はしばらく考えた。
『夏恋、久しぶり。うん、いいよ。今日は無理だけど、日にちが合えば行こう』
僕はそう送った。
返信はすぐに僕の元へ届いた。
『本当?嬉しい。20日は?』
今日は13日。20日は一週間後。
大貴に聞いてみよう。
『まだ予定分かんないけど、多分大丈夫だよ』
期待させてはいけないので、多分という単語を使う。
『分かった。待ってるね』
それが送られて来た所で、返信するのをやめた。
返信は大貴が帰ってきてから。
「ただいまー」
それから二時間後に大貴は帰ってきた。
僕は走って大貴のお迎えに行く。これが僕の毎日の日課。
「おかえり。お疲れ様」
「はぁ、疲れた。ありがとな」
チュ、と僕に軽くキスしてリビングに入って行った。
そしてソファーに倒れ込む。
相当疲れてるんだ。そんな時にあんな話して大丈夫かな?
負担を増やしたくないので言わないでおこうかと思ったけど、それはつまり大貴に隠し事をするという事。それは耐えられない。
「大貴、ちょっと聞きたい事あるんだけど」
ソファーに倒れ込んでる大貴に遠慮がちに話しかける。
大貴は起き上がって「おいで」と自分の横を指さした。
僕はちょっと躊躇ったけど、隣に座った。
「あのね、夏恋って知ってるでしょ?僕の元カノの」
大貴には常に何でも話してるので、僕についての知らない事なんてない気がする。
出会った頃からずっと頼りになる存在だった。
「うん、知ってるけど。その子がどうかした?」
「あのね、さっき久しぶりにご飯食べないかって誘われたんだけど、どうしたら良い?」
「いや、そんなの優が決めなよ。俺が決める事じゃない」
ちょっとは妬いてくれると思ったのにな、なんて期待しすぎ?
僕だったら絶対行かせないのに。
「20日なんだけど、僕ちょうど何も予定ないの。大貴が嫌って言うなら行かないけど……」
はぁ、と大貴がため息を漏らした。
しつこかったかな。
大貴は別にどうでも良かったんだ、きっと。
「本当はすっげえ嫉妬しそうだけど、良いよ、行っておいで。お前の事信じてるから。楽しんできな?」
嫉妬、してくれるんだ。
僕は嬉しかったのと同時に少し安心した。
「僕が好きなのは大貴だけだから」
「うん、分かってる」
大貴が僕を優しく抱き締めたので、僕はきつく抱き締め返した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 37