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18歳以上ですか?
17にしおりをはさみました!
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17
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ギクシャクしたままその日を終えた。
僕は結局あれから部屋を出ずにずっと引きこもった。
大貴が僕の顔なんて見たくないと思うから。
朝、そっとリビングに行くとちょうど大貴が玄関へ向かう所だった。
おはようくらい言えば良かったかも。
でもきっと大貴は嫌がるだろうから行き違いで正解だ。
玄関の閉まる音がしてからリビングに歩み出た。
僕は昨日の夜から何も食べていないのでお腹がペコペコ。
冷蔵庫を開けると、結構材料はあったので、久々に自分で作って食べる事にした。
今日は誰とも何も予定がないので、家でボーッとするだけ。
何も考えたくない僕にとったら好都合だけどね。
適当に朝ご飯を作って、適当に食べて、適当に片付けて。
自分にはそんな適当な生活が似合うのかも知れない。
僕なんかが大貴みたいな優しい人を好きになんてなっちゃいけなかった。
所詮僕は適当に生きるべき人間なのだから。
朝ご飯も食べ終わって何もする事がなくなった僕はテレビゲームをする事にした。
自分の家から持ってきた数少ない僕の持ち物の一つ。
テレビに接続して始める。
昔からテレビゲームは大好きなので、あっという間にゲームに引き込まれる。
気付いたら五時間も経っていた。
どんだけ暇人なんだって自分でも笑える。
今の時刻は昼の一時過ぎ。
「あ、大貴の帰ってくる時間だ」
僕は何となくテレビゲームを片付けてソファーにちょこんと座った。
帰ってきたら何て言えばいい?何て対応すればいい?
もしかしたら話しかけた所で無視されるかも知れない。
不安とネガティブな気持ちがどんどん溢れて募って行く。
そこへちょうど玄関が開く音が聞こえた。
「ただいま」
大貴がいつもより小さめの声でぶっきらぼうに呟く。
「おかえり」
と僕も小さめで答える。
大貴が部屋に入ってくると空気が変わった。
僕をチラッと見た後、一旦大貴は自分の部屋に戻った。
まだ怒ってるんだな。
僕は自分の部屋に戻ろうと立ち上がった所で、大貴が戻って来た。
部屋着に変わっている。
「ごめんな、昨日は」
大貴がいきなり謝ってきた。
「何で大貴が謝るの?」
「昨日冷たい態度取ったから」
大貴は当たり前の事しただけなのに。
「大貴は謝らないで?僕が悪いだけだから」
「うん、ごめんね」
僕は「ううん」とだけ残して部屋に戻った。
しばらくはこの関係が続くと思う。
なんなら一生このままかも知れない。
僕は先が真っ暗すぎてため息と涙しか出て来なかった。
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