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シンプルな装飾とデザインの扉、その上には『理事長室』と書かれた木製のプレートがある。
ここか。理事長室にしては、シンプルに出来てるな。
そんなことよりも……
俺は、こぶしを裏返し扉を軽く叩いた。
コンコン
「どうぞ」
なぬ?父さんの親友にしては声が若いな。
ガチャ…
「失礼します」
ガチャン
「はじめまして、君のお父上の清光の友人でここの理事長をしている、鹿山聖だ。宜しくな」
一瞬見たら、外国人だが良く見ると日本人のような顔でもある。しかも、流暢な日本語。
ハーフか……
「皇清光の息子で他の私立高校に進学が決まっていた皇一樹です。宜しくお願いします」
「まぁ、座ってくれ。
しかし、それについては謝りたい。本当にすまない」
「まさか、俺が海外のパーティーに出席している時に父がこんな約束をしていたなんて驚きですよ」
「わが校も今、最大のピンチでね。
私も君のお父さんに対して色々体を張ったんだ…お願いを聞いてくれないか?」
体を張る?まさかあの親父、書類整理が面倒臭いからと…手伝わせたんじゃ!はぁ、もぉ、あれほど人に任せるなと言ったのに!
「はぁあ、俺に出来ることなら良いですよ。父もドSなところがありますし相当なことをやらされたと思います。
しかも、ここには有名なご子息様方が在籍していますし、仲良くなっておいて損は無いでしょう」
「うん、そうだね。本当にありがとう」
理事長、生徒の前で泣かないでください。どうしたんですか?いや、聞かないことにしておこう。
「と、とりあえずこれとこれを渡しとくね」
渡されたのは、先輩達が言っていたスマホのような端末とそのケースと思しき上等な入れ物、そして黒色をしたカードキーだった。
「この端末は学園限定のものだ。この中には電子マネーが入ってるんだけど、基本的に学園内での買い物はこの端末でしてもらうからね。それと、QRコードの読み込みによって生徒達の情報も受け取れるから。
あと、カードキーの方は白銀金黒の順で開けられる場所が増えていくから。君には、色々と動きやすいようにどの部屋にでも入れる黒と通常の生徒が持っている白を渡しておくから使い分けてくれ」
端末にQRコードに四種類で分けられてるカードキーか…世の中の学校はハイテクになったものだな。
いや、それどころじゃないな。
「それで理事長のお願いとは?」
「……転校生の退学をお願いしたい」
え?
「ちょ、ちょっと、待ってください!
この学校の生徒を排除しろってことですか?」
「あぁ、名前は北嶋蘭」
おいおいおい!北嶋だと?現在の日本の経済分野を1に一手に担っていると言われている日本の大企業一族じゃねぇか。
まぁ、俺の家つまり、皇家の本家に当たる家は日本にあるが俺たちの基本的な活動場所は、日本以外の国つまり外国だ。
だから、あんまり関係ないと思っていたが…
「理事長、流石に北島家の人間を退学させるのは難しいですよ。皇家が海外を活動拠点に置いているとしても…」
「大丈夫。皇家は自らが無理だと思ったことは、引き受けないタイプの一族だ。この内容は清光にも言ってある。あいつは、北島なんてクソくらえって言ってたしな」
おいおいおい、親父さんよ!そんなこと言って大丈夫かよ。
「はぁ…父がそういうなら引き受けますよ」
「ありがとう。この時間だと今から食堂に行くのが良いかと、それと風紀と会長とも会って欲しい。あと、今日は学校自体が休みだから。クラスとかはその端末で確認を頼む。夜、担任に寮を尋ねるように言っておく」
「わかりました」
ガチャ
「失礼しました」
ガチャ
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