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はんぶんこ②にしおりをはさみました!
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BL Land「2014 Valentine」Tour{増刊特集}
はんぶんこ②
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向かいのアパートの2階に住む香取省吾は、2つ年下の幼馴染み。出会ったばかりの頃はニコリとも笑わない、やたらと無愛想なクソガキだった。
お互い片親で一人っ子という似た境遇からなんとなく面倒を見るようになり、今では実の兄のように慕われまとわりつかれる毎日だが、晃はそれを心地よく感じている。
母親にとっても省吾はお気に入りで、カレーが大好きだという省吾のために、今日みたいな日は必ずカレーを沢山作る。勿論省吾は承知の上で、素直に喜ぶ顔を見せるわけだが、元々人見知りの激しい省吾がここまでガードを全開に弛めて接するようになるまでには随分と時間がかかったのだ。
「あれ、晃、牛乳がない」
冷蔵庫を覗き込んだ省吾が声を上げた。チビの省吾は日に何度も牛乳を飲む。特にカレーと牛乳の組み合わせは外せないものらしい。誰かに身長が伸びる最強の組み合わせだと教えられたらしいが本気で信じている様子の省吾を俺は黙って見守っている。
「今朝飲んで無くなったの忘れてた。買いに行くか」
「うん行く」
スーパーまでの距離を歩くのも面倒なので、アパートから目と鼻の先のコンビニへと2人で向かった。
寒い寒いと小走りで店内へ駆け込むと、大きなハートのポップが目に飛び込んできた。2/14日、バレンタインデー。派手な飾りつけも棚いっぱいのプレゼント用チョコレート達も、明日の朝には片付けられているんだろう。
「晃、今年も沢山貰った?」
肩下からの声に視線を落とすと、省吾は俺ではなく棚に並べられたチョコレートの箱達をじっと見つめている。晃は頭ひとつ分背の低い省吾のつむじを見つめながら、家に帰ったら全部やるよと返事をした。
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