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マラソンショコラ②にしおりをはさみました!
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BL Land「2014 Valentine」Tour{増刊特集}
マラソンショコラ②
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* * *
「あのさ、何考えてんの?」
目の前でいつもは笑顔の秦君が怒っていた。
怒っても男前だな。
絵になるなあ…
ぼーっとしていると「聞いてんのかよ!」と怒鳴られた。
夢じゃなかったのかと驚く。
どこだろうと見まわすと、どうやら花屋の宅配を受け取った後ソファで寝ていたらしい。
仕事で疲れて帰ってきたら、僕がビールを飲んで寝ていたから怒っているのか?
秦君はそんなことで怒るヤツじゃないけど。
「ごめん、寝てた…」
と一応謝った。
「…っ……っ、違う、寝てたからじゃなくて!」
「え?じゃあ何?」
「チ、チョコレート!」
「………?」
秦君が指さした方向を見るとさっき僕が食べた義理チョコの残骸。
何?
散らかしたから?
あ、自分宛てのを勝手に食べたとか思われてる?
「これ、僕が会社でもらったヤツなんだ」
そういうと秦君の顔色が変わった。
「…会社の女なんだ。
…認めないからな」
認めるも何も事実じゃないか…
何だよ、今日の秦君なんか変。
酔ってるのか?
リビングのドア付近には靴や紙袋、そこから零れたチョコレートの箱たち。
「バ、バレンタインに家の電気ついててさ…
原田が俺のこと待っててくれたのかなって期待してさ。
靴も上手く脱げないくらいテンパって…
なのに何かお前チョコ食って寝てて…他人の…女からもらったチョコなんか食いやがって!」
……ん?
「お前がもし他人に恋愛感情を抱くというのなら俺はもう容赦しない」
「何?何?どうしたの」
何を言っているんだ?
さっきから秦君は何を一生懸命喋っているのだろう。
秦君が一瞬沈黙して。
「だからっ…『萌香』って誰ですかっ」
と掠れた声で言った。
「…上司の子どもだけど、それがどうしたんだよ」
「こ、子ども…?何歳?」
「小1」
「えっ…あ……………ああ」
秦君は脱力したようにゆっくりとソファの下へうずくまったのであった。
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