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夢見姫にしおりをはさみました!
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夢見姫
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悠が、膝枕をして、僕の頭を撫でている。ここが何処かなんて、知らない。悠がいれば、それだけで…
「梓。」
「あの、さ。」
言い出しにくそうに、悠が話しかけてくる。…どうしたんだろう。少し不安になって、悠の顔を見上げる。
「梓…オレのこと、好き?」
悠。なんでそんなこと聞くの?僕のこともう好きじゃなくなったの?不安が一層高まる。それでも。
「…悠。すき。だいすき。」
滲んできた視界でもう一度上を向き、悠を見る。
「っ、悠……?」
悠だったはずのそれは、音も立てずに黒くて角の生えた、禍々しい“何か”になっていた。その何かと目が合い、途轍もない恐怖に襲われる。
逃げなきゃ。そう思うのに、体が固まって動けない。
「…ん、あ…さ、ん。…梓君」
聞き覚えのあるその声が耳に飛び込んできた。
周りを見ると、さっきまでの空間はどこへ行ったのか。梓はバスの中にいた。そうか、修学旅行だったな。なんて他人事のように考えながら、ずっと自分が膝枕されていたことに気づいた。
「…大塚さん。あ、ごめんね。ずっと膝借りてて。随分良くなったから、もう起きるね。」
そう言って、慌てて身体を起こす。
「あ、梓君。…大丈夫?うなされてたけど。」
「うん、大丈夫。ありがとう。」
…悠に、くっつきたい。
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