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18歳以上ですか?
16にしおりをはさみました!
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16
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「先生!」
「?」
放課後
大体一緒に帰る桃と壱には先に帰っててもらった。
誰もいない廊下で見つけた袴田先生の背中に声を掛けて呼び止める。
振り返った横顔が俺の胸を苦しくさせた。
「良かった‥中々見つからないからっ」
「‥どうしたよ」
「うん。あの‥」
真っ直ぐ俺を見下ろす先生の顔を見れないまま息を整える。
「永久?」
「‥話しがあるんだ」
「うん。なに?」
「‥待ってるから」
「‥ん?」
足元を見ていた視線を上げて先生を見上げる
「稔さん‥」
「‥」
学校で稔さんと呼ぶのは初めての事で、少しだけ険しくなった顔が俺を捕らえたまま離さない。
「ごめん。待ってるから」
深く空気を吸い込みゆっくり息を吐く。
稔さんに背中を向けて歩き出す俺の足音だけが響く廊下。
長く長く重たい廊下。
稔さんの足音が聞こえない
振り返っちゃいけない
きっとまだ俺の背中を見てるから
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