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40
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「永久」
「っ!‥あっ‥っ」
向き合う事も
聞かされる言葉も
怖くて‥恐くて‥
目が合わせられない
「永久‥俺の事見て」
「っ‥」
瞼をキュッと閉じて深呼吸をする。
下唇をキツく噛み涙を止めてから目を開ける。
もう逃げられない
もう‥逃げない
ゆっくり‥顔を上げて稔さんと視線が重なる
久しぶりに間近でちゃんと彼を見た気がする
稔さんは‥稔さんのままだ
「唇‥噛まないでいいから」
「っ」
指先で唇をなぞられ噛み締めていた唇を解放せざるをえない
「俺なりに‥考えたよ」
「‥」
「終わりにしようって意味を‥毎日必死に考えた。‥数学の問題より難しかったよ」
「‥」
場を和ませたいのか
本心かは知らないけど‥
数学より‥難しいんだ
「でも本当は数学よりずっと簡単だった。」
「?」
意味が分からなくて思わず眉間に皺が寄ると困った顔で笑われた。
「ただ‥俺の気持ちに正直になればいいだけだった。自分の気持ちを否定する‥永久の痛みが少しは理解出来たかな‥」
ハハと笑う稔さんはスッキリしたように淡々と話す。俺はそれを聞くしか出来ない。
「あのさ。
俺、分かってたよ。いつかこうなるって最初から分かってた」
「‥」
「永久は真面目だから、いつか‥俺から離れると思った。だからその為に色々と策を練ってはいたんだ」
「‥策?」
「うん。永久が離れた時の為の心構えとか‥」
「‥‥」
稔さんがずっと前からそんな事を考えていたなんて知らなかった。
最初から‥離れた時の事を構えてたなんて‥
自然と下がる視線は何を見たらいいのか分からなかった。
「ははっ。嘘だよ!」
「!?」
「俺がしたのは、永久が離れないように‥永久を俺で埋め尽くす事」
「‥う‥め‥つくす?」
「そ。離れたくても離れられないように、何でもしたよ」
ニコリと笑う顔は生徒には見せない種類の顔で、なんだか嬉しそうに‥頬を持ち上げてる。
俺は引き寄せられて稔さんの腕の中に収まった。
「永久には沢山構ったし、沢山キスもして抱き締めて愛した。俺の愛を永久が覚えてないと意味ないだろ?」
「‥」
だろ?って‥言われても。
「知ってたよ。俺の事好きだろ?」
「はっ!?何言ってっ!意味分かんねえっ!」
「おー。威勢がいい」
機嫌良く受け流す感じ。
納得いかない!
「それに‥永久が終わりにしようって言ったあの日」
「?」
「爺さん婆さん家行く前、大好きだってキスしてくれた」
「!?!?」
「ははっ。悪いけど起きてたよ。それと爺さんとはメル友だからあそこ行ったら俺に筒抜けだから」
クソっ
色々してやられてる気がする。
「言ったろ?離れたくても離れられないように何でもしたって」
稔さんを睨みつけたら当然だろと言わんばかりの態度。
「まさか‥爺ちゃんに携帯持つの‥勧めたりしてないよ‥な?」
「いや?興味があったみたいで悩んでて相談されたから、いいんじゃないですか?永久の写真でも送りますよって」
「釣ったな!!」
「失礼な‥ただ俺は爺さん婆さんを思って」
「‥」
「その方が色々網も張れるし」
「網って言った!」
「勘違いするなよ?俺が釣りたいのはお前だけだ。」
「っ!」
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