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48にしおりをはさみました!
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48
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「永久‥腹減った」
「‥」
「何食べたい?」
「‥牛丼買ってきて」
「スタミナ付けんの?」
「ちっげえよ!
冷蔵庫何もないし、材料買って来られても俺作る力残ってねえし、店近いだろうがっ!」
ニヤニヤと笑う稔さんについイラッとして全力で突っ込んでしまった。
起きたのが5時で今7時ってどういう事?
そりゃ腹も減るし布団も汚くなる訳だよ。
「んじゃ行ってくるー」
シャワーを浴びて家に置いてある自分の替えの服を着て‥サッパリした声でドアを閉める奴はただたんに欲望に忠実なだけなんじゃないかと思いたくなる。
いや、そうに違いない。
1ヶ月に何回かは泊まってくから、家に稔さんの着替えがあっても気にもしなかった。お世話になったし一応稔さん名義の部屋だし‥
でもよくよく考えてみれば家賃はちゃんと払ってるし、一応ここ俺の部屋だし‥
「はー‥」
重い体を起こして、シーツを全て剥ぎ取り浴室へ向かう。
洗濯機にシーツを押し込み、ついでに落ちてた稔さんの服も押し込みボタンを押してから風呂に入る。
ピチョンとシャワーから滴る雫と濡れた浴室にドキリとした。
稔さんが濡らした跡
キュッと蛇口を捻るとシャワーから水が降ってきた。
「冷てっ」
ちっ‥
シャワー戻しとけっていつも言ってんのに。
「‥」
替えの服があって
月に数回、連絡も無く急に来ては勝手に泊まってく。
そのせいで俺の部屋の至る所に稔さんの物が増えていった。
歯ブラシもコップも冷蔵庫に置いていく缶ビールも‥
1日の中で何度も目に入る稔さんの残骸‥
気にも止めてなかったそれらが稔さんの居ない時間にも稔さんを植え付けていった。
「‥まじ‥確信犯だろ」
暖かいお湯が出始めた頃、ふと‥稔さんの匂いがした。
俺とは違うシャンプーの匂い
わざわざ違うシャンプーを家に置いて‥俺とは違う匂いをさせて、シャワーを蛇口の方に戻さないのも全部全部‥
「稔さんが居た‥証拠だろ」
パズルのピースが一つずつ繋がるように、全ての事が繋がっていく。
俺の知らないうちに視界からも嗅覚からも俺に入り込んで‥一つのピースを作り上げて自覚した時には既に綺麗な色で飾っていて‥
「どんだけだよっ」
今まで気付かなかった事が悔しくて、手の平で弄ばれてたような感覚にドクンと胸の音が聞こえた。
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