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episode.78 殴打にしおりをはさみました!
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episode.78 殴打
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.13-5、13-6、13-7、13-8とリンクしています。
〜恋side〜
クレアの汗を拭いて、額に氷袋をあて、ラズに部屋を任せると3人で部屋を出る。
「リヴィ遅いな。」
「もうすぐ着くと思うんだけど。」
2人がそう言っていた矢先、インターフォンがなった。
「はーい!」
恋はパタパタと玄関に向かっていく。
「はい……ぅっ?!」
恋が玄関の扉を開けた瞬間、恋は男に殴り飛ばされた。
それで後ろに倒れ、ドンッと鈍い音が響いた。
それを聞いたのか、慌てた様子でハンスとロン、木之本が玄関にやってきた。
うずくまっている恋の元にハンスと木之本が駆け寄る。
「レン!!」
「恋くん!!」
「リヴィ!何するんだよ!」
殴ってきた男はリヴィというらしかった。
「うるさい。クレアはどこだ。」
リヴィはそう言ってハンスと木之本を突き飛ばし、恋の胸ぐらをつかんできた。
(この人、クレアさんの番かな……)
恋は締まる首元に息苦しさを感じつつもそんなことを考えた。
「リヴィ!落ち着け!!リヴィ!」
ロンが体を張って止めようとするも、リヴィにはかないそうもない。
その時だ。ラズが思い切りリヴィを殴った。
「リヴィ、落ち着いたか?」
辺りをキョロキョロと見回すリヴィに向かってハンスがそう尋ねる。
「え……俺は……」
「……ゲホッ……大丈夫、ですか?」
恋は解放されて息を吸いながらそう言う。
「恋くんが言うことじゃないからね。恋くんが大丈夫?って感じだからね。」
そう言いながら木之本が恋を支え起こす。
リヴィはどうやら怒りで我を失っていたらしく、状況が飲み込めていないらしい。
「ラズ、怪我は?」
ラズはハンスの言葉に首を横に振った。
「とにかく、リヴィもロンも中に。ラズはクレアについてて。」
ラズはこくりと頷くと行った。
リヴィはまだ状況がよくわかっていないのだろう、ロンに連れられて中に入った。
「レン、すまなかった。リヴィは普段は温厚なんだが…」
「問題ないです。これくらいなら冷やせばどうとでもなりますし。」
ハンスは申し訳なさそうに言う。
殴られた左頬は少し赤くなっていた。
「……のーぷろぶれむしかわからない。」
英語を聞いていた木之本がそう言いだし、恋は少しおかしくなった。
「……学生でもわかるような英語、もう少しありましたが?」
恋がそう言うとハンスもクスリと笑う。
「さぁ、行きましょう。」
恋と木之本とハンスもリビングに向かう。
全員ソファに座り、今までのことを説明した。
「本当に申し訳ないことをした」
リヴィは深々と頭を下げた。
「気にしないでください。明希……あー、俺の友人も同じようなことになってたので、気持ちはわかりますから。」
「本当に申し訳ない。」
「もういいですよ。あなたの仲間の方が明希を見つけて、助けてくれましたし。」
恋は頬を冷やしながら答える。
「そういえば、そろそろジル様が着くんじゃないか?」
「電話もらったのが30分くらい前だから……混んでなかったらもうすぐ着くかな。」
「琉ももうすぐ着くんじゃない?」
「そうですね……あ……」
恋はふと、赤津に何も説明していないことを後悔した。
「あー……」
木之本も察したようで、顔を見合わせて苦い顔をする。
「どうかしたか?」
「いや……赤津さんには何も説明してなくて……もし鉢合わせでもしたら何かと面倒くさいと思うので……」
明希と一緒にいるところを見たら勘違いするのではないか、と恋は思った。
「どういうことだ?」
何もわからないハンスが首を傾げる。
その時、外に車が止まる音がした。
「ジル様たちかも。迎えに行こう。」
「そうだな。」
「じゃあ俺たちも行きましょうか。」
「おう!」
リヴィも含めた5人で外に向かった。
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