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episode.79 柔らかな愛にしおりをはさみました!
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episode.79 柔らかな愛
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.14、14-2とリンクしています。
〜恋side〜
「ジル様。」
「あぁ、ハンス、ロン……とそちらは?」
ハンスが声をかけたのは緑色の目をした長身のイケメン。
ジル・フリークス王子だ。
「助けてくれた、レン・アオキとショウヤ・キノモトです。」
「それは、この度はどうも。」
ジルは流暢な日本語を話した。
「あ、陛下は日本語をお話しになるのですね。」
恋は少し驚きつつ、そう言う。
「ご無礼を承知でお聞きしますが、明希はどこに?」
「大丈夫だ、車の中にいる。」
「それでは中に。」
「レイ、ハルたちを。」
紫がかった目の男はレイというらしい。
レイが車の中にいる男たちに声をかける。
「トムはついていないのか?」
「少し道に迷ったらしくて、もうすぐ着くらしいですよ。」
ロンがそう言い、車からは2人の男と抱えられた明希が降りてくる。
その時だった。
「おい!てめぇ……!!」
赤津がちょうど家につき、明希を抱える男に飛びかかろうとする。その間に入った黒髪の男性の胸ぐらをつかむ形になった。
「うわぁお、物騒。」
明希を抱えた男が日本語でそう言った。
「赤津さん!何してるんですか!!」
「……あー、リュウ・アカツだ。」
明希を抱えた男は、赤津のことをすぐに誰かわかったようだった。
「離れてください。」
レイが日本語で赤津を牽制する。
「うるせえ!明希くんに何した!」
「琉ー!ちょっと落ち着こっかー?」
木之本が赤津の首元をつかむと、黒髪の男から引き剥がす。
「すいませんね、こいつには何も説明してなくて……」
「おい、翔也!」
赤津は怒っていた。
「あー!もう!ストップ!!あなたたちはもっと自分たちが有名人ってことをわきまえてください!」
恋は家の前で有名人たちが言い争いを繰り広げるのはあまりよろしくないだろうと思い、少し声を荒げた。
「とにかく、全員中に入る!話はそれからです。」
「恋!」
「いいから!入る!!」
赤津は嫌そうであったが、素直に恋の言うことに従った。
「明希ちゃんは預かるよー。」
「それじゃあとりあえずいつもの部屋に。」
「ん、わかった。」
明希は木之本の腕に収まる。一瞬、明希の表情が歪んだ。
「大丈夫、大丈夫だよ。」
木之本は明希の頭を優しく撫でながらそう呟く。
その手つきや目線はとても柔らかかった。
明希は徐々に表情を緩めた。
「おぉ、すごい。」
それを見ていた先ほどまで明希を抱えていた男が感嘆の声を漏らした。
「さ、中に入ってください。」
「あれ?みんな揃って何を……」
そこにまた新たに真っ白の髪の男が現れた。
「……どんどん増えますね。まあいいや、中にどうぞ。」
現れた男はまだ何が何だかよくわかっていないようだが、全員揃って中に入った。
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