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*09
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〜恋side〜
招待状を配りに行った恋だったが、千秋の家は留守なようで、インターフォンを押しても誰も出てこなかった。
そのため恋は家に戻ってベットに身を投げた。
(…やばい…眠い。)
恋はウサギを抱きしめながらウトウトと微睡む。
どのくらいそうしていたのか、そのまま眠ってしまったようで、次に気がついた時には、寝ている恋の隣に琉が座っていた。
まだ覚めきらない頭の中で、今何時だろう、などと考える。
琉は片手で恋の頭を撫でながら、片手は何かの台本を読んでいるらしい。
恋はぼーっとその様子を見ていた。
その端正な横顔はいつ見てもやはりかっこよかった。
頭を撫でる手は大きくて温かくて
恋は琉の手に撫でられるのが好きだった。
その心地よさに身を委ね、腕の中にいるウサギをぎゅっと抱きしめる。
そして琉に擦り寄るようにして目を閉じる。
本人は、擦り寄っているのは無意識なのだが。
ふと、琉が一度撫でる手を止め、ゴソゴソと動き始めた。
少しして、恋の頭は温かくて柔らかい感触のものの上に置かれたことがわかった。
そしてまた、琉の手が恋の頭を撫でる。
恋は今自分がどうなっているのか考えた。
琉が動くたび、なんだか自分も少し動いている。
これはもしや。
(…ひ…膝枕…?)
それしかない。
この程よい温かさに柔らかいながらに弾力のある感じ。
恋は琉の足の上に寝ているのだ。
少し恥ずかしいものの、なんだか幸せな気分になって、恋は目を開ける。
「ん?起きたの?まだ寝てていいよ。」
「んーん…」
恋はウサギを隣に置くと琉の腰に腕を回し、琉のお腹に顔を埋める。
(…んー…赤津さんの匂い…)
「恋?」
「んー…おはようございます。」
恋がそういって、顔を上げて笑うと、琉は顔を赤くした。
「恋…お前ほんと襲われるぞ…」
「へ?」
琉のつぶやきは恋には届かず。
恋はこてん、と首を傾げるだけだった。
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〜琉side〜
「ただいま。」
琉が帰ってきたとき、リビングには電気がついていなかった。
(部屋かな?)
一応ノックをして部屋に入る。
そこには無防備な姿で寝ている恋。
腕の中にはウサギがしっかり抱かれていて、琉は微笑んだ。
(ウサギ、かなり気に入ってんなぁ。)
琉は服を着替えると恋の隣に座る。
バックから今日貰ったばかりの新しいドラマの台本を出し、目を通しながら、空いた手で恋の頭を撫でる。
恋は頭を撫でられるのがどうも好きらしい。
起きている時は、頭を撫でると、少し嬉しそうな顔をするのだ。
少しの間そうしていると、恋がもぞもぞと動き始めた。
そして琉に擦り寄ってくる。
起きたのかと思ってチラリと恋を見るが、まだ寝ているようだ。
(無意識で擦り寄るとか…可愛すぎか。)
琉はそんなことを思いながら一度撫でる手を止め、体勢を安定させる。
そして恋の体をずらし、自分の膝の上に乗せた。
安定したのを確認して、また頭を撫でる。
時々バッグの中から手帳を取り出したりなんだりと動く時に恋を起こさないように必死だったが、膝の上で寝ている恋を見るのは幸せだった。
するとふと恋が目を開けた。
まだぼーっとしているのか目がトロンとしている。
それは行為をするときのそれとは少し違っているが、可愛いものであるのに違いはない。
「ん?起きたの?まだ寝てていいよ。」
「んーん…」
恋はウサギを隣に置くと琉の腰に腕を回し、琉のお腹に顔を埋めてくる。
「恋?」
(可愛い。なんだこの生き物。)
琉はそんなことを思いながら、恋を見ている。
「んー…おはようございます。」
恋がそういって、顔を上げて笑う。
ふにゃりとした笑顔の、その破壊力は凄まじいと琉は思った。
「恋…お前ほんと襲われるぞ…」
思わずそう呟くくらいに、恋は可愛かった。
「へ?」
だが琉のつぶやきは恋には届かず。
恋はこてん、と首を傾げるだけ。
その仕草は、わざとかと思うくらいだが、恋にはそんな駆け引きのつもりなどなく。
これを素でやってのける恋の無防備さはたまに心配になるくらいである。
「恋、そういう可愛いところは本当に俺の前だけにしてくれよ。頼むから。」
「?赤津さん以外には甘えませんよ…?」
ズキューーーーーーン
という効果音でもなったんじゃないか。
琉はつい、そんなことを考えてしまった。
あまりに可愛い。
そしてこれは甘えているのか。
なんて可愛い。
「…はぁ…俺、恋に会ってから絶倫になったかも。」
「はい?…って…え?!なんでですか?なんで勃ってるんですか?!」
「恋が可愛いからだよ。」
「え?ちょ、え?な、え?!」
琉は恋を押し倒す。…と言っても覆いかぶさるだけなのだが。
「恋…覚悟しなよ?」
「え?え?あ、ちょ、あー!!!」
翌日。恋と千秋についたキスマークに、明希が笑いをこらえきれなくなるのはまた次のお話。
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