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*19
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〜恋side〜
お風呂から出て、しばらくして、夕食のバイキングの時間になった。
「恋ー、行くぞー。」
琉に呼ばれ、部屋を出ると、ちょうど隣の部屋の千秋と紘も出てきた。
「千秋ー。」
「はい…」
千秋は紘の服の裾をきゅっと掴んでいて、目をこすっている。
寝起きらしい。
「恋いるよ。」
「ん…あ、恋…おはよ。」
千秋はそう言ってふにゃっと笑った。
「…千秋大丈夫ですか?」
「んー、まあ起きてしばらくはこんな感じなんだけど、歩いてるうちに覚醒してくると思う。」
紘はそう言っているものの、恋としては心配で仕方ない。
明希も千秋もとにかく無防備なのだ。
(恋も無防備だ。by琉)
「翔也と明希は?」
紘たちの隣の部屋にいるはずの2人もそろそろ出てくるはずだ。
「ほら、明希ちゃん、起きてー。」
ドアを開きながら明希の腕を引っ張って翔也が出てくる。
「んー…」
「明希まだ眠い…?」
千秋がふわふわとした声でそう言った。
「ふあぁぁ…あ、みんないるー。」
明希はへにゃぁっと笑う。
恋はそれを見てまた不安を膨らませたが、その意識はすぐに逸らされる。
「あ、翔也さん!いいとこに!!」
翔也たちの隣の部屋から奏がひょこっと顔を出す。
「貴也くんが全く起きてくれなくて!」
「ごめん…あいつほんと寝起き悪いんだよね。」
翔也はそう言いながら部屋に入っていき、貴也を起こしたらしい。
なにやらものすごい音が聞こえたような気がしたが、恋はなにも知らない。知らないことにする。
「すごい…美味しそうなものがいっぱいっ!」
完全に目が覚めたらしい明希は料理を見て目を輝かせる。
「明希…恋…見てあれ…」
こちらも完全に目が覚めたらしい千秋。控えめに恋と明希を呼ぶが、その目は輝きに満ちている。
そしてその目線の先には…
恋「け…ケーキっ…!」
3人が愛してやまない甘いもの。
「す、すごいっ…」
同じような反応を見せたのは貴也だ。
「貴也くん、取りに行く?」
貴也はこれでもかと首を縦に振る。そんな様子を見て奏が笑っている。
「恋たちも行っておいで。」
琉にそう言われて、軽く頭を撫でられる。
周りが色めきだっている気がするが、そこは気にしないことにしよう、と恋は思った。
琉たちもバイキングを楽しみ、それぞれ部屋に帰る。
「恋ー、お風呂どうする?もう一回入る?」
「琉さん入りますか?」
「恋が入りたかったら入るよ。」
「ま、また一緒に…ですか…?」
顔を赤らめ、俯いているのは恋は無意識である。
「…恋。」
琉に名前を呼ばれ顔を上げると、優しく抱きしめられた。
「マジで可愛すぎ。俺以外にそんな顔見せんなよ?」
「あ、あの…琉さん…」
温かい体温にホッとするのはいいのだが、恋は腹部に違和感を感じる。
「ん?」
「そ、の…ですね…当たってます…」
恋は耳を真っ赤にして、琉の服をきゅっと掴んで小声でそう言った。
「…ごめん、恋が可愛すぎるから。」
「…あの…」
恋はそっと顔を上げる。
「ん?」
「シ…ますか…?」
恋としては精一杯のお誘いである。
AV男優なんてものをしていながら、仕事以外の経験は琉だけ。
さらにAVでは何も考えることなくしていた行為が、今ではこんなに恥ずかしい。
「…あ、の…」
黙っている琉が心配で、恋は伏せていた目を上げる。
「…もう…恋さ、俺を煽るの本当にうまいよね。」
「え?どういう意味っん…!」
恋の言葉を遮り、琉は恋の唇を奪う。
舌を掬い上げられ、恋の口からは甘い声が漏れる。
「ん、ふ…ぅ…ん…」
唇を離されるのとほぼ同時に、琉に抱き上げられた。
「ぅわ!」
「今日は覚悟してなよ?恋。」
ベットに寝かせられ、上から覆いかぶさってきた琉が、耳元でそう囁いた。
窓がほんの少し空いていて、隣の部屋から千秋の声が聞こえる。
「あーあ、紘さんもお盛んだねぇ。」
そう言いながら恋の服を脱がせていく琉が1番上手な気がするが、恋は黙って身をまかせた。
もちろんこの日、奏だけがいろんな意味で眠れなくなったのである。
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