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〜恋side〜
「おにーさんたち暇ぁ?」
(最悪だ。)
声をかけられてしまっては逃げられない。
琉たちもまだ来ない。
どうするか考えあぐねて、やはり恋は明希と千秋の前に立つ。
人には慣れてきた千秋でも、大柄な男はやはり怖いらしい。明希はそもそも男性に接近されることが怖いのだからこの段階で怯えきっている。
「ねーねー、俺たちと一緒にあそぼーよ。」
「待ち合わせしてるので…すみません。」
2人の代わりに恋が全て答える。
「えー?ほんとに待ち合わせしてんの?」
「本当です。」
「そうやって逃げるやつ多いからなぁ。」
「恋…」
明希が恋の浴衣の袖をきゅっと掴む。
(…っ…プールの二の舞は勘弁…!!掴まれる前に距離をとる!)
恋は心にそう決めて、明希と千秋とあとずさる。
「本当に待ち合わせてるので…」
「どんな人とー?」
言うわけにはいかない。3人とも有名人。ここで騒げば囲まれてしまうし、おそらく今日も変装してきているはず。(メガネだけだが。)
「逃げないでよ。」
「っ…!」
腕を掴まれて、恋は思わず息を詰めた。
プールのことがあったせいか、怖いと思ったら声が出なくなった。
「あの、離して…ください。」
千秋が震える声を振り絞っている。
でも男3人相手に勝てるわけもない。このままおとなしくついていく方が賢いだろうか。
そう考えたその時だった。
「どいつもこいつも、ナンパ野郎は強行突破したがるなぁ。」
男たちの後ろから現れた三人は、やはり人目を引いていた。
(変装してても人目をひくって…)
恋はそんなことを考えて苦笑した。
「あぁ?!誰だてめえら!」
「その子たちの待ち合わせ相手だけど?」
「文句でもあるか?」
翔也と紘が冷たいオーラを放ちながらそう言う。
「本当に待ち合わせてたのかよ?!」
「さて…俺の婚約者(フィアンセ)の腕を離してもらおうか?」
「あぁ?」
「言ってる意味、わかんない?もう一回言おうか?」
そう言って男の肩に手を置いた琉の機嫌はたいそう悪かった。
「…っ…チッ…行くぞ。」
男たちは周りの目も気になったのか、渋々どこかに立ち去った。
「大丈夫か?」
琉はそう尋ねながら恋の頭にポン、と手を置いた。
その瞬間、恋の目からは涙がブワッ!と溢れてきて、その場にいた5人はぎょっとした。
恋自身だって驚いた。まさか自分が泣くなんて。
「れ、恋!そんなに怖かったなら言ってよ!」
「そうだよ!僕たちだって何か出来たかもしれないのに!」
「何かしようじゃなくて逃げようって発想になってくれ…」
紘は千秋に向かって困ったように言う。
「恋くん相当怖かったんだねぇ。」
「ひぐっ…ごめん…なさっ…」
「謝んな。大丈夫だから。」
琉はポンポンと優しく頭を撫でながら周りから恋が泣いているのが見えないようにそっと抱き寄せてくれた。
「よしよし、もうこれからは明希ちゃんたちを人ごみに放るのダメだね。うん。」
「もう少し待ち合わせを考えればよかったな。」
翔也も紘も明希と千秋を近くに抱き寄せて、そう話す。
2人も怖かったのだろう、明希は翔也の浴衣の袖をきゅっと掴んで、千秋は控えめに紘の小指を掴んだ。
「ほら、せっかく祭りきたんだから泣き止めー?な?ほら、かき氷売ってるぞ。」
「…かきごおり…」
琉の言葉に、ちらっと顔を上げた恋と、琉の目があうと琉はクスリと笑った。
「恋、本当甘いもの好きだな。すごい嬉しそうな顔してる。」
「…かきごおり…たべる…」
「はいはい。明希くんと千秋くんも食べる?」
「「食べる!!」」
「さっきクレープ食べたんだよね?」
「よくそんなに甘いもの食べられるな…」
「かき氷なんだから、みんなで食べたらよくないですか?」
「「え?」」
明希の提案に琉、翔也、紘が揃って声を上げる。
「「え?」」
それに対し、恋、明希、千秋が不思議そうにした。
「…半分こ…ダメですか?」
恋はそう言って琉を見上げる。
「…いいけどさ…はぁぁ…」
突然謎のため息をついた琉に、恋は首をかしげるのだった。
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