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〜恋side〜
9月1日 9時
夏休みが終わり、明希は大学に戻った。
琉と翔也は新しいドラマの撮影が本格化し、夏祭り以降、忙しい日々を送っている。
そして今…
「…何があったらこうなるんですかね?」
「ごめんってー!いや、僕もね、びっくりだったんだよ?でも他にアテもないからさ…」
ソファに小雪が座っている。
昨晩、緊急帰国し、今、ここにやってきたらしい。
琉は外泊したため、今はいない。
おそらくそのうち帰ってくるだろうが。
「…まあ、ちょっとさ、前のことは水に流してもらいたいんだよね。ところで、僕が帰国した理由なんだけどさ…」
小雪は真剣な顔をして、恋をじっと見つめる。
恋は別に、小雪に怒っているわけでもないし、嫌がっているわけでもないから、水に流すことも何もないのだが、頷く。
「僕が緊急帰国したのは、ローデンスが戦争を始めたからだ。」
「ローデンスが…?!」
「向こうにいても良かったんだけど、王子様…ジルがね、日本に帰国しろって手紙をくれたんだ。」
「ジル王子が…」
「…それでね、まあ他にアテがないからここに来たっていうのもあるんだけど、ローデンスが戦に勝ったら、恋さんに連絡を入れるって言うもんだから。だから、いつ帰国できるようになるかわからないけど、帰国できるようになるまで、ここに置いてほしいんだ。」
「…俺は構わないですけど…」
「…琉さん嫌がるかな?」
「それはないと思いますけど…嫌がったら俺が説得します。」
「恋さんありがとう。」
「いえ、お礼を言うのは俺の方ですから。あの日、琉さんが残ってたのって小雪さんのおかげですよね?」
「僕は何もしてないよー。それより名前の呼び方変わったんだね?」
小雪はニヤニヤと恋を見てくる。
さっきまでのシリアスな雰囲気はどこへやら、小雪は話を聞かせろ、とばかりに笑う。
「…べ、別に何も変わってないですよ…」
「えー?嘘ばっかりぃ。ローデンスでも戦争の話題と混ざってリュウ・アカツの婚約ニュースが舞い込んできたのにぃ?」
恋は顔をカァッと赤くする。
「王宮のみんなはそれどころじゃないと思うから、知らないかもしれないけど、ローデンス国内でもかなり話題になったからね!」
改めて琉の人気さを感じるとともに、顔に集まった熱が一向に冷めず、恋は俯いた。
「…恋さんってキスマーク残りやすい人?」
「え?!」
思わず首に手をやる恋を見て、小雪はまた笑う。
「今更でしょ。うん、まあ首に残ってるけどね。」
最後にシたのは夏祭りの日だったから、1週間ほど前だ。
「そんなに濃くないけどわかる。」
「…キスマーク禁止令出さないと…」
「それ琉さんが聞くかなぁ…僕がいてもがっつりエッチしてた人がさぁ…」
「…え。」
「え、気づいてないと思ってたの?」
「え…いつの話…」
「え、僕が火傷した日。」
(…バレてた。)
恋は顔を両手で覆ってまた俯いた。
「うん、まさか琉さんがあんなに独占欲強いなんてびっくりだったけど。」
「い…いつから気づいてたんですか…?」
「部屋に入った時、かな。一緒のベットに寝てるって聞いてたのに、恋さんの姿ちょっとも見えないし。あの日のエッチは最後、困らなかった?」
「え…?」
ずっと困っていたが…と思いながら恋は首をかしげる。
「僕が出て行くか出て行かないかのところで、琉さん動き始めたでしょ?」
「…な、なんで…」
「わかるって。琉さんも琉さんだよねぇ。恋さんいじめるにもほどがあるっての。」
小雪は、やれやれ、といった感じで肩をすくめる。
「まあ、その時、僕には勝ち目ないなーって思っちゃったよ。ローデンスに行った時も、わざとみんなの前で一緒に行く話出したのに、結局恋さんと一緒に部屋に消えたわけだし。」
「…あー…あの晩のことはほぼ覚えてなくてですね…」
「あ、そうなの?まあ2人で消えた後のことは僕も知らないけど。」
小雪はそう言いつつもニヤニヤとする。
「空港についてもさぁ、ずっと窓の外見てるんだよ?恋さん雷苦手でしょ?」
「え、あ、はい…」
「雷鳴るたび、琉さん顔しかめるの!もうさぁ、そんなに好きなら言っちゃえばいいのにさ、ぬいぐるみに録音とかいう女々しい真似してさぁ…」
小雪の毒舌ぶりに恋は目を丸くする。
「琉さんって男らしいくせに変なとこで意気地なしなんだもん。恋さんが気持ち伝えられないのは理解できるけど、琉さんが言えないのなんて怖がってるだけじゃんねぇ。」
「は、はぁ…」
「あ、ごめんつい。君の中での僕のキャラってこういう感じじゃなかったか。」
小雪はそう言って笑う。
確かに、恋が持っていた小雪のイメージは、こういう感じではない。
だが、悪い印象は全くなかった。
「あの…俺…そういう小雪さん、好きです。」
小雪は目を丸くして、きょとん、としている。
「あ、あの…俺なんか悪いこと言いました…?」
「…恋さんさ、可愛いわ。」
「…へ?」
「僕でも恋さん相手なら…」
小雪はぐいっと恋の方に寄り、ペロリと唇を舐める。
「食べる側になりたいかも。」
「え、え?」
「おい小雪。」
恋が混乱していると、琉が帰宅してきた。
「あー残念。琉さんもう帰ってきちゃったの?」
「琉さん?」
「いたずらもほどほどにしろよ?」
小「えー?いたずらのつもりはないよ?今言ったことは本気だよ?」
「…恋は渡さないから。」
「…っぷははは!誰も奪うなんて言ってないじゃん!恋さんなら、俺でも攻めだなぁって思っただけだし。」
小雪はケラケラと笑いだし、恋だけがよくわかっていなかった。
「ったく…で、なんで小雪がここにいる?」
「あ、それなんだけども…」
小雪はさっき、恋に説明したことを同じように琉にも説明する。
「…そうか…わかった。ひとまずは、ジルからの連絡を待つしかないな。」
「そうですね。まあ、朝ごはんでも…食べますか?」
「え、僕にも作ってくれるの?」
「は、はい。あるものでよければ…」
「いい!お腹空いてたし…」
「琉さんも、食べますか?」
「ん、食う。」
「じゃあ座って待っててください。」
恋はエプロンをつけ、朝食の準備に取り掛かった。
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