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〜恋side〜
「お前ら何やってんの?」
予想外の声に、恋は顔を上げる。
「なんだ傑かよ、脅かすなよ。」
「何やってんの?って俺は聞いたんだけど。」
「見りゃわかるじゃん。恋とイイコトしてんの。な?」
同意を求められ、恋はどうするべきか迷う。
傑がなぜここにいるのかもわからないし、明希と傑は会ったのかとか、そういう心配もあった。
「傑も混ざる?声かけといたじゃん、俺ら」
「…は?」
男の問いかけに、傑は心底嫌そうな顔をして、低い声を出した。
「…まあ、恋からしたら俺もこんなこと言えた立場じゃないんだけどさ。」
傑はそう前置きして、少し息を吐く。
「お前ら本当やってること最低。昔の俺なら主導してたからお前らから連絡来た時もなんも言わなかったけど、正直今後悔してる。昔の俺を殴り殺してやりたいね。」
「は…?お前何言って…」
「もっとわかりやすく言おうか?今、お前らを殴り殺したいって言ってる。」
そういった傑の目はひどく冷たくて、それが本気で言ってることなのだとわかる。
「た…すけて…」
気がついたらそう口にしていた。
傑の方に目をやるが、涙が溢れ出して傑の姿がにじむ。
ポロ、と涙が落ち、傑の表情が見えた。
その顔はひどく優しくて、安心しろ、とでも言われているかのようだった。
「10秒以内に失せるか、俺と殴り合うかどっちがいい?」
「傑、お前ふざけたこと言ってんなよ!」
男は恋から離れ、傑に殴りかかる。
だが傑は軽々と攻撃をかわし、思い切り殴り飛ばした。
見ていた2人も殴りかかるがかわされてねじ伏せられる。
「恋、大丈夫?立てる?」
「あ…」
薬と恐怖のせいで、足腰が立たない。
力が全く入らなかった。
「ごめん、ちょっと我慢して。」
傑はそう言うと恋のズボンと下着を手早く直し、恋を抱え上げようとする。
だが、その後ろから、1人が傑に殴りかかろうとする。
「あ、ぶないっ!」
恋がそう言い、傑が振り返り、恋をかばうようにする。
そのせいで傑は頬に思い切りパンチを食らった。
「あ…血が…」
傑の唇が切れて少し血が出ている。
「ったく…まだ殴られ足りねーのかよ!」
傑はそう言うと男をもう一度殴り、完全にねじ伏せた。
「唇…大丈夫…?」
「こんなんかすり傷でしょ。自分の心配しなよ…明希が俺に言わなかったらどうなってたと思ってんの。」
その言葉に恋は目を見開く。
「…心配しなくても明希には何もしてない。謝りたくて来ただけだから。許してもらえるなんて思ってないけど…恋も、ごめんな。」
傑はそう言うと恋を姫抱きにして、トイレを出る。
「あ…!恋!」
「あ、き…ありがと…」
明希はブンブンと首を振る。
「傑…唇切れてる…」
「大したことないって。あんたら本当自分の心配しろって…迎えはどのくらいでくるの?」
「もう少しで着くって。」
「じゃあ外出てるか。」
「…傑…ありがと…」
恋は傑にお礼を言った。
「…いいって。助けてって言われたから助けただけ。別に大したことしてないし、正直俺もあっち側の人間だったんだから、これくらいでお礼言われる資格ない。」
「…あのさ…俺…傑と仲直りしたかったから…その…許すよ…?」
「…え…」
明希の言葉に傑は固まる。
「まだ…ちょっと怖いけど…でも、恋のことこうやって助けてくれたし…もうあんなことしないって…わかるもん。」
「…ありがと…」
「…傑って素直じゃないよな…嫉妬で嫌がらせしてただけだろ…」
恋はクスッと笑ってそう言う。
「な、うるさい!」
「え…?嫉妬?でも…傑は俺のこと好きじゃないって…」
「嫉妬だとしても許されることじゃないけど…中学の時のだって、俺と仲良いから嫉妬したんだろうが…」
「…なんでお前にバレてんだよ…」
傑はバツが悪そうに目を背ける。
「最近のだって翔也さんに嫉妬したんだろ…明希と仲良くなりたいだけじゃんか…明希いじめんのお前くらいだから、変な優越感に浸ってたんだろ…」
恋は苦笑しながらそう言った。
「…だから友達としてちゃんと仲良くしたいなって思ったから謝ったんだろうが…」
「…なんだ…そうだったんだ…俺、傑から嫌われてるのかと思ってた。」
「…違うし。あ、でも今はもう恋愛感情ないから、心配しなくても邪魔なんかしないから。」
「うん。友達として、仲良くしよう。」
「おう。ありがとな。」
「俺も友人になれんのかなー。」
「…なってほしいけど…」
「いいの?明希と仲良くして嫉妬しない?」
「しないよ!!」
「じゃー、よろしく。」
「おう。」
ずっとあった傑とのわだかまりは、あっけなくなくなっていった。
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