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*69
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〜恋side〜
「あ、いた!」
外に出て少しすると翔也が運転する車で琉がやってきた。
「琉さん呼んだの…?」
「そりゃ呼ぶよ。」
明希は当たり前、とでも言いたげだ。
「お前の彼氏なんじゃねえの?むしろなんで呼ばないわけ…?」
「だ、だって…俺…」
「今お前汚いとか考えたな。それまじで思わないから。むしろ心配するだけだから。」
「恋!!」
傑に抱きかかえられたまま話をしていると琉が車から降りてきて名前を呼ばれる。
翔也も降りてきて、傑を見つけると鋭く睨みつけた。
「なんで恋くんのこと抱きかかえてんの?」
傑は何も言わない。
「…なんでなんも言わないんだよ…誤解されるだけだろ。」
「俺が言うことじゃないだろ…」
「とりあえず、恋返してくれる?」
「あ、すみません…その…薬飲まされて立てないみたいなので、抱いてあげてください。」
「お前に言われなくてもそうする。」
琉も低い声でそう言い、恋を姫抱きする。
「あ、えっと、あ、の…そのっ…」
「明希ちゃんもおいで、帰るよ。」
「ま、待ってください!!傑は、恋を助けてくれて…その…謝ってくれたし…」
「…え?」
「傑がいなかったら、恋のこと助けられなかったので…傑は悪くないです…」
「…本当に?」
明希はコクコクと頷く。
「…それは、ありがとう。」
琉も驚きながらそう言った。
「…いえ。あなたからお礼を言われる資格はありませんから。それから、木之本さん…今まですみませんでした。」
「え、あ…俺はいいって。明希ちゃんに謝ってほしい。」
「そ、れは!もう謝ってもらったし…もう仲直りしましたし…もう友達だし…」
明希が翔也にそう言う。
「…なんかよくわからないけど…俺はまだ信用したわけじゃないから。」
「翔也さん…!」
「でもとりあえず、今日は恋くん助けてくれたみたいだし、明希ちゃんもきっと取り乱してたの落ちつけてくれたんだろうから、感謝する。家、どこなの?送るけど。」
「…でも…」
「いいよ、乗って帰ろ?前と変わってないなら通り道だし。」
「いいって言われたんだしいいんじゃない?ついでに車の中で唇一応消毒しとけば?」
明希と恋が遠慮する傑にそう言った。
「あ…ほんとだ、唇切れてるな。」
琉が傑の顔を見てそう言う。
「俺のこと庇って殴られたんで…治療してあげてください。」
「ん、わかった。」
琉はそう言って恋の頭を撫でる。
正直それだけでも反応するくらい体は熱いのだが、今はなんとなく抑えられた。
「そういうわけだから、乗って。早く恋くん帰してあげたいし。」
「…わかりました。」
運転席に翔也が、助手席に明希が、後ろに恋、琉、傑の順で乗り込む。
「カバンの中に消毒液入ってますから。」
「え、これ口にも使える?」
「使えないもの出しませんよ…ティッシュも入ってるのでそれに少し出してつけてください。」
「おう、わかった。」
琉がぎこちない手つきで消毒をし終えたところで傑の家に着く。
「ありがとうございました。」
「いいえ。」
「また連絡取ろう。」
明希は笑顔でそう言った。
「…っ…ありがと。」
「俺にも連絡先よこせー。」
「明希からもらって。」
傑はだいぶ優しい表情になり、翔也と琉も最初より目つきが優しかった。
それから家の前まで送ってくれた翔也と明希と別れ、琉に抱きかかえられて家に入った。
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