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*83
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〜琉side〜
23時
「お疲れ様でしたー。」
撮影を終え、片付けや着替えまで済ませた琉と翔也は監督や他の出演者に挨拶をして現場を後にした。
「あー…明希ちゃん抱きたい…もうトロットロに溶かしてイチャイチャしたい…」
「翔也、お前まじで変態みたい。」
「だって昨日さ!!婚姻届出して、めちゃくちゃ照れてる可愛い明希ちゃんを前に、キスも我慢して、おしゃれなディナー連れてって、帰ったら存分に抱こうと思ってたのに疲れて寝ちゃったんだよ!起こすの可哀想だし寝顔も可愛いからそのまま寝ちゃったけど生殺し!!」
そこまで一気に話した翔也に、琉はクスクスと笑う。
「必死すぎ。」
「琉はどーなのさ。」
「んー…恋があの一件以来、エッチ怖がるから、手出してねえよ。」
同窓会での一件以来、抱きしめたりキスをしたりはいいのだが、それ以上の行為になるとどうしても震えるのだ。
恋が素直に怖い、と言ってきてくれたので、琉は恋のために我慢すると決めていた。
「うわ、絶倫のくせに我慢してるとか…恋くんのためならほんと何でもできるんだね。」
もちろん、琉にも恋を抱きたい気持ちはあるが、それ以上に恋を愛し、大切にしたい気持ちがある。
だから恋のためを思えばそんなに苦になることでもなかった。
「まあな。」
そんな話をしながら帰り道を歩いていると、ポケットに入っていたスマホが震えた。
「…え。」
電話がかかってきていたのだが、琉はその相手を見て固まった。
「ん?どした?」
「や…恋から…電話…」
「え、出てあげなよ。何固まってんの。」
「いや、初めてだから…恋から電話。用事があるときは大体LINEだし、電話したいときでも先にメッセージくるから…」
「とりあえず出たら?」
そう言った翔也のスマホも震え、翔也もスマホを取り出す。
「ありゃ?明希ちゃんからだ。今2人とも一緒にいるはずだよね?」
「あぁ…今日は千秋くんも入れて3人でお祝いするって言ってたけど…」
2人は不思議に思いながら電話に出る。
「もしもし。」
『あ、琉さん…』
恋の声はなんだかものすごく寂しそうで、何かあったのかと心配になった。
「どうした?」
『…声が…聞きたくなっただけです…』
琉はあまりの驚きにその場で固まった。
『だめ…でした?』
「ダメなわけないだろ。」
嬉しすぎて頬が緩むのを抑えられなかった。
『あの…』
「ん?」
しばらく沈黙が続く。
琉が口を開こうとしたそのときだ。
『はやくかえってきて…』
恋が小さな声でそう言って、電話は切れてしまった。
(え…何今の。可愛すぎだろ。)
一方の翔也は…
「もしもし。」
『あっ、翔也さん!』
「どうしたのー?」
『えへへ…恋と千秋と話してたら、翔也さんに会いたくなっちゃって…」
「今から帰るからもう少し待っててね。」
『…はやく、ね?』
年を押すようにそう言われて切れた電話。
琉と同じく、翔也は悶えた。
「よし、琉、タクシー捕まえて帰ろう。」
「まじやばい。可愛すぎて…」
2人はこうして、帰路を急ぐのであった。
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